十四章
越前×現状
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お終いにしましょう。越前に向かいますが、詩乃さんは何か言いたそうですね」
「はい。久遠様にお聞きしたい事がございます」
「・・・・越前のことか?」
「御意。我らが識る情報はすでに古くなっているとみるべきでしょう。今の越前の状況が分からなければ、戦略を組み立てることができません」
「うむ・・・・。眞琴からの書状には、何度か越前に向けて草を放っているらしいのだが・・・・」
「誰一人、帰ってこなかったというわけですか」
私は、さっき結菜様が言ったことをデータ化にして保存しといた。腕をまたISの状態にして待機してたけど。
「なるほど。・・・・なかなかの難国のようですね」
「しかし情報は戦において大きな武器となりますわ。何とかして情報を手に入れないとなりませんわね」
と何か考えていたけど、なんか忘れられていますね。我々の武器は何もライフルばかりではありませんから。
「一真様なら、自分一人でも行くと言いますけど」
「ハニーの立場は、一真隊の頭という立場では無くなっていますが」
「桜花さん達が動けないのでしたら、姫路衆から物見を出しましょうか?」
「いや、余計な損害は出したくない」
「では自分が行きましょう」
「それは駄目です。許可できません」
「し、しかしこれが自分の仕事でもありますから・・・・」
「ダメなものはダメです。隊長に代わって言いますが、小波さんは大切な仲間です。今の状況で小波さん一人では行かせられないでしょうというつもりです」
「この身をそこまで・・・・分かりました。ご主人様の代役ですが、命があるまでお側に居させて頂きます」
と言って考え込んでしまったが、本当に忘れているようですね。私たちには衛星カメラと偵察機があることを。
「考え込むのは後にしましょう。今は小谷の眞琴様と合流が大事です」
「うむ。では一真隊、先導を頼むぞ」
「了解しました。ひよさんにころさん。小谷へ出発してください」
「「はいっ!」」
結菜様と合流した私たちは、隊列を整えてから小谷を目指しました。途中、いくつかの村を通り過ぎましたが、やけにピリピリしてましたね。何かあったのかは知りませんが、首を捻りながら私たちは行軍の足を速めました。といっても私である沙紀は、皆さんの近くで立ちながら進んでいます。桜花は再び結衣と一緒に空中からこちらを見ていましたけど。近江街道を北上して、時計を見ると12時を過ぎてました。ようやく、小谷城の全景が見えてきましたね。
「あれ〜?ころちゃんころちゃん。あそこに旗が見えるんだけど・・・・」
「どれ?んー・・・・あれは三つ盛亀甲だから、浅井眞琴様の御旗になるね」
「眞琴様の旗ですか?ですが予定では・・・・」
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