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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
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第三十九話 それぞれの日常
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りって、この状態勘違いされたんじゃ!」
「ちげぇよ! 冗談でもそういう気持ち悪いこと言うなよ! ってかなんでそんな時だけ変に気がまわるんだよ!?」

 彼らがいるのは、弾の部屋。そこで男二人が組んず解れつ……想像力豊かな学園の一部生徒が喜びそうな光景ではあるが、決して蘭がその仲間というわけではない。

 数分後、デートにいくかのようにおめかしした蘭が戻ってきて雑談に加わる。
 実は、このやり取りに近いことは一夏が五反田家に来るたびに繰り返されているのだが、いつまでたっても彼はその行動の意図を理解できていない。一方で気が利かないという理由で、哀れな兄は妹に理不尽な制裁受けている。

 弾が鈴のことを表立って応援できないのは、この妹の存在である。あからさまに一夏に対して好意を示しているのだが、やはり彼は気付いていない。
 それでも蘭は諦めず、健気にも翌年一夏のいるIS学園への入学を目指している。なにげに彼女はIS適正がAという期待の星なのだ。

 弾としては、どんなに暴力的な妹であれ蘭のことは可愛く思っており、例え一夏であろうとそう簡単に渡したくはないと考えている。
 だから一夏に対して学園でとっとと彼女でも作ってしまえと内心思っているのだが、一方でこの朴念仁に彼女が出来る姿が想像できず、もどかしい思いをしていた。

「なぁ、お前そんだけ女の子がいる場所にいて気になる子とかいないわけ?」

 弾は隣から人を射殺せそうなほどの視線を感じるも、なんとか気付かないフリをして一夏に対して質問を投げかけた。
 これは会う度に聞くものの、いつも芳しい反応はない。どうせ今回もそうだろうな、と弾は期待していなかったのだが……。

「え、あ〜……今気になっている人はいるな」
「なに!?」
「え……嘘!?」

 驚愕の声と悲鳴。
 そんな馬鹿な、というのがこの兄妹の反応だった。彼の幼馴染たちや蘭がどれだけアピールしても気付かないこの男にまさかそんな相手がいたのか、と。

「だ、だ、だ、誰なんですか!?」
「うお! ど、どうしたんだ、蘭!?」
「いいから答えてください!」

 あまりの剣幕に気圧されながらも、今日起きた出来事や今までのことを説明した。

 西園寺紫音のことを。

「で、すっげぇ綺麗な人なんだけど滅茶苦茶強くてさ。それを鼻にかけることもないんだよ。今日も格好良かったなぁ……まさかあの人があんなこと言うなんて思わなかったし。まぁ、そのあと軽く説教されたんだけど正直ガツンときたよ。あの厳しさとか、まるで千冬姉みたいだったなぁ」

 姉基準かよ! というツッコミが二人の心の中で行われたが、声に出されることはなかった。ハッキリ言って、微妙である。
 話だけ聞けば一夏が千冬に対して抱いているある種の憧憬と同
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