第二章 雨
第1話 ザドギエル
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佐天は雨の中走っていた。
何故かというと、傘を忘れたからだ。まあ無理もない。降水確率10%だったのだから。
雨宿りしようと思い、寺らしき場所に避難した。
そこには先客がいた。
佐天「あ、士道さんじゃないですか」
士道「確か……佐天さんだっけ?」
佐天「はい。士道さんも雨宿りですか?」
士道「あぁ。最近の天気予報は当たらないな」
佐天「そうですね……あれ?上条さんはどうしたんですか?」
士道「あいつは補習だとよ」
佐天「あ〜……」
上条ならよくあることである。こっちに来てあの暴食シスターがいないだけマシだ。
佐天「ん?あそこにいるのは…?」
雨の中、遊んでいる女の子を佐天が見つけた。
ボーッと見ていると、その子が急にこけたのだ。
佐天と士道はその子に駆け寄る。
佐天「大丈夫?」
と言って佐天は手を差し出す。
だが、その子は怯えるように佐天と士道から逃げた。
佐天「(人見知りが激しいのかな?)」
佐天は勝手にそう結論づけた。
しばらくして雨が上がった。佐天は士道に軽くあいさつし、その場を去った。
その時にはさっきの女の子はいなかった。
次の日
上条「……」
上条は授業もほとんど聞かずに、昨日の家での一方通行の言葉を思い出していた。
一方『五河士道が銃で撃たれて血塗れになった時、俺は血流操作であいつの命を取り留めていた』
一方『少ししたらみるみる内に傷が治っていったンだよ』
一方『ここからは俺の推測だが、五河士道も精霊の力を持っている可能性がある』
上条「……」
上条はまだ信じられなかった。数日前にそんなことがあったなんて。
一方通行が何故すぐに話さなかったのかというと、自分の頭の中で整理して士道の力が何か推測する時間が欲しかったからだ。
魔術の可能性も考え、知り合いの魔術師に尋ねたが、その可能性はないと結論付けられた。
学園都市最強の頭脳を持っても、この推測にたどり着くのに数日の時間が必要になったのだ。
上条は一方通行の仮説が正しいとしても、上条は士道に何回か触れたことはあったが、右手は反応しなかった。
やはり一方通行の仮説は違うのか。
だが折紙に聞いたら確かに士道を撃ったと言っていた。
折紙は次に士道に会った日に謝っていたので、これは本当に間違いない。
士道に聞いても一方通行が治したと勘違いしていたし、何がなんだか分からなくなってしまい、頭が混乱して上条は頭を抱えた。
そこに、
十香「当麻、大丈夫か?」
十香が家庭科の調理実習で作ったクッキーを片手に上条を心配して
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