第二章
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第二章
そしてその銀のフォークを使ってみてだ。その感想は。
「これはいい」
「普通の食器を使うのとは全く違う」
「銀のものを使うとまた格別」
それを使って食べればというのだ。
「美味いものだ」
「銀の杯もいい」
「いいものだな」
「これこそが真の喜びだ」
こう言い合い贅沢をしていく。しかしであった。
市民達は当然銀の食器なぞ使えはしない。それは当然だった。
「何で一部の人間だけが贅沢をしているんだ」
「革命の指導者達だけが」
「何でなんだ?」
彼等がこう思うのは当然のことだった。しかしである。
その彼等に対してだ。革命の指導者達が何をしたかというと。
秘密警察を送ったのだ。それで監視し弾圧しだしたのだ。令状なしの逮捕に拷問、密告、そして粛清。国家の中は忽ち誰も何も言えないものになった。
そして革命の指導者達はさらに贅沢の中に浸り国家を私物化しだした。自分達の好き勝手に国家を動かすようになり国家は腐敗していった。
そしてであった。またしても一部の者達が密かに集まり話をしていた。
「このままではどうしようもない」
「そうだ、誰も生きていけなくなる」
「生きていけるのはあの連中だけになる」
暗い部屋の中でこう言い合うのだった。
「どうする?ここは」
「立ち上がるしかないだろう」
一人が言った。
「もうここは」
「革命か」
「それなんだな」
「そうだ、それだ」
この言葉が出て来たのである。
「革命を起こすんだ」
「そしてそれで」
「あいつ等を倒し」
「本当の意味でまともな国にするんだな」
「もうだ」
そしてであった。ここでその対象に忌々しげに向けられる言葉が出された。
「秘密警察も密告もない国家にするんだ」
「そうだな、もうそんなものは沢山だ」
「いつも誰かに監視されている社会も」
「何が貴族主義の復活を阻止する為だ」
そうした名目で設けられたのがその秘密警察だったのだ。だがその実態は言うまでもなく革命の指導者達への不平分子の監視と弾圧だったのだ。
「監獄国家にしてしまい」
「この国を暗澹たるものにしておいてだ」
「そんな国家はもう沢山だ」
彼等にとっては貴族よりも革命の指導者の方が憎かった。そうなっていた。
「だからだ。革命だ」
「そしてもうこんな社会はだ」
「沢山だ」
こう言い合ってであった。彼等は立ち上がった。そうして。
「暴君達を倒せ!」
「秘密警察を潰せ!」
「もう監獄国家は沢山だ!」
こう言い合いそのうえで革命の指導者達を捕らえ全員銃殺とした。秘密警察も解体され指導者達の財産も没収された。そしてここで。
「何だこれは」
「フォークだな」
「ああ、フォークだ」
国家の財産として接収されることになった指
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