第3章
月光校庭のエクスカリバー
第63話 交渉します!
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していましたが、その内三本が堕天使の手によって奪われました」
『ッ!?』
「奪われた!……」
イリナの言葉に俺達は驚く。
「私達が持っているのは残ったエクスカリバーの内、破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)と…」
「私の持つこの擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)の二本だけ」
ゼノヴィアと名乗った女性は布で包まれた剣を掲げ、イリナは腕に巻いてある紐状の物を指差す。
イリナのエクスカリバーおそらく、擬態の名の通り、自由に変化させる事ができ、あの様に紐状にして持ち運んでいるのだろう。
すると今度は後ろにいる白髪の男性が口を開く。
「残る一本は全て奪われる事を危惧した正教会が死守している状態の為、今回の奪還任務に持ち出されていない」
失敗した時の事を想定して最後の一本だけでも死守しようと言う訳か。
「で、私達にどうしてほしい訳?」
「今回の件は我々と堕天使の問題だ。この町に巣食う悪魔に要らぬ介入をされるのは面倒なのでな」
「……ずいぶんな物言いね。私達が堕天使と組んで聖剣をどうにかするとでも?」
「悪魔とって聖剣は忌むべき物だ。堕天使と利害が一致するじゃないか」
「………」
まあ確かに、ゼノヴィアの言い分は正しい……が、その言い方は部長のプライドを酷く逆撫でしているだろうな。
実際、部長は今にもキレそうであった。
「もしそうなら、我々は貴女を完全に消滅させる。例え魔王の妹であろうともな」
「そこまで私を知っているのなら言わせてもらうわ。私は堕天使などと手を組む事は無いわ!グレモリーの名にかけて、魔王の顔に泥を塗るようなマネはしない!」
部長の言葉を聞いたゼノヴィアが不敵に笑む。
「それが聞けただけで十分だ。今のは本部の意向を伝えただけでね、魔王の妹がそこまでバカだとは思っていないさ」
「なら私が神側、すなわち貴女方にも協力しない事も承知している訳ね?」
「無論。この町で起こる事に一切の不介入を約束してくれるなら」
「了解したわ」
どうやら会談は何事も無く終わりそうであった。
ゼノヴィアとイリナが立ち上がる。
「時間を取らせてすまなかった」
「せっかくだからお茶でもどう?」
「いや、悪魔と馴れ合う訳にはいかない」
「ライニー君なんかさっさとこの場から立ち去りたいって顔してるしね」
「……フン」
イリナに言われそっぽ向くライニーと言う名の青年。
神田ユウナとアルトミヤと名乗った男性はそんな奴を何か含みのある視線を向けていた。
「では失礼する」
ゼノヴィアのその言葉と同時に五人は立ち去ろうとする。
ちなみに神田ユウナだけはきちんとお辞儀をしていた。
とりあえず何事も無くて良かったよ。
……特に木場がいなくて…。
エクスカリバーが二本あるこの状況に今のアイツがいれば確実に一悶着(突然
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