序章
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「おいおい・・・返信早すぎだよ。なんかこえぇ」
『○月△日 11:23
From:xxxxxx@xxx.ne.jp
sub:Re:Re:
???????????????
のうりょくいこだけ
すてたすは
がくりよく
みりよく
ゆーき
あなたはゆーきがいぱいひつよう』
「・・・ぉい、こら」
ふざけてんのかこれ。内心でイラッときたのが分かる。
勇気が足りない?んなことわかってるよ。
チキンですよ。何か問題でもあんのかよ。
「こんにゃろう・・・しかもマジでペルソナのゲームのステータスじゃねぇか・・・!?」
そこまで自分でつぶやいて気付く。
「もしかして・・・『すてたす』ってステータスか!」
どうでもいいことだが、気付くと嬉しいものがある。
「なるほど。もしやこれは俺に勇気をくれるメールというわけか」
勘違いしていない気もしないが、納得してしまったものは仕方ない。
そう開き直って再びメールを打つ。
『
to:xxxxxx@xxx.ne.jp
sub:Re:Re:Re:
???????????????
学力3
魅力3
勇気4 』
ここまで打って気付く。
「能力って・・・何だ?」
勇気4と言いながらもやはり怖いものはある。
何事にも保険は必要だ。
『直視の魔眼と脅威の幻視、の能力を持った眼』
と、追加するように打ち込む。
「ふむふむ。我ながら完璧だ」
なんて呟いて送信ボタンを押す。
押してしばらくして気付く。
「あれ・・・?これもしイタズラだったら俺・・・なんかめっちゃ痛い子じゃないか・・・」
気付いて絶望し、羞恥で真っ赤になりながら机に突っ伏する。
まさか、いくらなんでもこんなアホみたいなメールにガチで返してしまう高校3年生がいるなんてことはありえない。
そんなありえない中で、まるで中学生か小学生のようなメールを返してしまったことに自己嫌悪する。
すると突然眠気なようなものが襲ってくる。
「うぉ・・・?なんで・・・?」
今日はたっぷり10時間寝て登校して来たはずだと思いながら、自分の意識がブラックアウトするのを感じた。
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