第七十四話 冬化粧その七
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「結構あれなのよ」
「日本酒は何なんだよ」
「糖尿病よ」
それがついて回ることをだ、琴乃は話した。
「この心配があるのよ」
「酒って怖いんだな」
「アルコール自体が飲み過ぎたらだからね」
「俺酒飲むの止めようかな」
「適量ならいいから」
あくまでだ、それ位ならというのだ。
「お酒もね」
「今の姉ちゃん位ならいいのかよ」
「ぎりぎりだと思うわ」
琴乃は真っ赤になった顔で弟に話した。
「人によるけれど」
「姉ちゃんひょっとして酒強いか?」
「そうみたいね、どうやら」
「何か姉ちゃん高校入ってから変わったな」
「どんな具合に?」
「前より明るくなってさ」
そしてだというのだ。
「何か酒飲む様になってな、バンドもして」
「あっ、そっちもなの」
「そうだよ、色々やる様になったな」
「お酒好きになったわ、確かに」
「いい意味で変わったんじゃね?」
このことは疑問形で言った弟だった。
「前よりも明るくなって。けれどな」
「けれど?どうしたの?」
「飲み過ぎには注意しろよ」
それにはというのだ。
「さもないとその痛風とか糖尿病になるからな」
「そうね、そのことはね」
「ああ、ちゃんろしろよ」
「わかってるわ。しっかし今日はずっとこんなのかしら」
窓の外から景色を見ると相変わらず真っ白だ、白の他の色は今の神戸には何もない感じですらある。まさに銀世界だ。
「お外にも出られないし」
「そだろ、今日はもう」
「仕方ないわね」
「諦めて姉ちゃんもゲームしたらいいだろ」
「そのつもりよ、午後は」
「さてな、この試合終わったら」
弟はまだ阪神のペナントをしている、その中で言うことは。
「今度はサクセスやろうか」
「そっちもするのね」
「ああ、この後でな」
そちらもするというのだ。
「やろうか」
「やったら?」
「俺入れてるんだよ」
自分自身をというのだ。
「阪神でさ」
「そこでも阪神なのね」
「ああ、そうだよ」
やはり生粋の阪神ファンだった、それでだった。
「エースになってるよ」
「阪神でピッチャーって」
「駄目かよ」
「いや、阪神の弱点はね」
去年はよかった、だがそれでもだというのだ。
「やっぱり打線だから」
「確かに伝統的に打たないけれどさ」
このことは弟も否定出来ない、だから彼も自分の阪神をあえてこれまでの名選手を入れたダイナマイト打線にしたのだ。
「それでもいいだろ」
「エースで」
「やっぱりエースが憧れだろ」
こう姉に言うのだった、少し居直った感じで。
「野球なら」
「エースで四番ね」
「それは甲子園だけれどな」
それでもだというのだ。
「やっぱり阪神だろ」
「それもそうよね」
「そうだよ、俺エースにな
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