幼い日の思い出
君と二人で一つ
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抱き着く。
「イタチ兄! イタチ兄! チャクラはどんなものにも宿るんだってばよね!」
「ああ、そうだが」
「なら、俺も二つだってば!!」
そう言いながら、ナルトはどんっと自分の胸を叩いた。
「ふたりで二つってば」
いや、カトナのことを指すなら、二つ足したから三つになるぞと内心でツッコミをいれ、今度はもう少し、教育的なものにも励まなければいけないなと、イタチは今後のスケジュールを頭の中で書き換えた。
・・・
珍しくカトナと一緒におらず、ひとりきりになっていたナルトは、自分の周りに誰も人がいないことを確かめると、印を結んだ。
まだ、カトナには到底使えない術。サスケならば使えるかもしれないが、彼女の僅かなチャクラでは、到底行うことが出来ないだろう。……イタチならば余裕で使えるだろうが。
ゆらりと、ナルトの体からチャクラがこぼれだし。
次の瞬間、風が辺りを包んだ。
空気がチャクラの動きに沿うように流れ、一つの場所でうずまき、近くにあった木を粉々に切り裂く。
「!! 出来たってば!! 見てたかよ、クラマ!?」
『あほが。クラマの漢字すら言えん奴に応える義理はないわい』
「だって、クラマの漢字は難しいんだってばよ!」
『…これがわしの人柱力だと思うと、頭が痛いわ』
「ぐぬぬ…!」
その言葉に、頬を膨らませて拗ねたようになったが、すぐさま、ナルトは笑顔になった。
「今度はクラマのチャクラ、貸してってば」
『何をする気だ? まだチャクラはあるだろう』
「クラマのを使って、チャクラ検査すんだよ!」
そう言いながら、いつもらってきたのか。先程使った、チャクラに反応する紙を嬉しそうに振った。
「ふたりで二つ、ってば!」
九尾の、クラマのチャクラと自分のチャクラを合わせれば二種類ある。
ほかの三人のように二種類ある。それが嬉しいのだと、全身で喜びを表現したナルトに、九尾は困ったように視線を逸らした。
『…そんなもの使わなくても、わしは自分のチャクラがなにかぐらい、把握しとるわい』
「!? えー、折角楽しみにしてたのに!?」
不満そうにそう言いながらも、笑みを絶やすことはしないまま、ナルトは嬉しそうに騒いだ。
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