幼い日の思い出
君と二人で一つ
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になってきた弟に、イタチは困ったようにカトナに目を向けた。
が、当の本人であるカトナはそんな言葉づかいなど気にもとめていないようで、無言でうなずくと、すぐにチャクラを込めた。
すぐさま、カトナの紙は濡れたかと思うと、次の瞬間、ぼろぼろに崩れ去る。
ほかの二人よりもはるかに短い…だからといって、上忍でも同じ速度で出来るかどうかわからないくらいの速さに、イタチは内心で舌を巻いた。
さすがだと感心するイタチの掌に、犬のように頭を擦り付けて、カトナは褒めてほめてと甘える。よしよしとイタチに頭を撫でられながら、カトナは自分の紙を見て、先ほど言われた内容を思い出す。
「土…と水?」
「みてぇだな」
サスケの肯定に、焦ったようにナルトはイタチを見つめる。
「…二人とも、二つばっかでずるいってば! イタチ兄は?」
「俺は火と水だな」
イタチは最後の紙を手に取り、チャクラを込める。その動作は手慣れたもので、一瞬にして紙は濡れ。次の瞬間、燃え上がる。
「兄さんも火なんだ!」
兄と同じであるという事実に無邪気に喜んだサスケに、イタチは困ったように頭をかいて、真実を教える。
「うちは一族には必ず、火の性質が備わっているからな。チャクラの性質は遺伝によるものも多いんだ」
「! ってことは父さんと母さんも!?」
「母さんはうちは一族に嫁いできたから、性質は違うだろうが、父さんはそうだろうな」
「!」
嬉しそうに顔を赤く染めたサスケの、この頃少なくなってきた年頃の顔を見ながら、ナルトは拗ねたような声を上げた。
「俺とカトナは違ったってば!」
「うちは一族みたいに、性質が一緒なのは少ないんだ」
「…そう、なの?」
不思議そうにするカトナに、イタチは一概には言えないがと前置きをしてから説明をする。
「基本、五大性質変化はそのひとの素質によるものだからな…。ただ遺伝の要素は多い。血継限界を有する一族の多くは性質変化が遺伝するらしい」
「秘伝忍術と、同じ、感じ?」
「難しい質問だな。……秘伝忍術はあくまで門外不出の術であって、血継限界というわけではないから、一族以外のものが使おうとすれば使えるだろう。…つまり、秘伝忍術は違うと思う」
ということは、秘伝忍術はパクれるのでは。
カトナの目がきらりと光る。
実際、術を使うためのコツやらが秘伝であり門外不出なので扱いが難しいのだろうが、パクれれば有効活用できるものは多い。
奈良一族や秋道一族のものがいいか。いや、個人的には山中一族の感知伝々あたりの方が有用か。
そんなことを考えてメモを取っている姉に、ナルトが少し口を尖らせる。
自分だけ一つだというのに全く気にしてくれないことにすねて俯い彼は、ふと上を向いてイタチに
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