幼い日の思い出
君と二人で一つ
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されたのか。じわりと、カトナの背中を痛みが伝った。
(なんか、いたい)
顔色を全く変えないまま、見えもしない背中を思う。自分の体の下を何かが這いずるような感覚に、カトナは小さく息を漏らした。
転んだ時に作った擦り傷に消毒液を塗り込むような痛みが、肌が強い日差しに焼かれたかのような痛みが、絶え間なく体を襲ってくる。
しかし、カトナはそのわずかな違和感を無視し、ナルトの掌の上にある紙を、食い入る様に見る。
やっと、チャクラが紙に伝わったのか。紙が勢いよく、びりびりと切れる。
いきなり起きた出来事に、ぽかんと呆気にとられたナルトは、紙をつまんでぺらぺらと動かす。
「なんだってば?」
「さっき聞いたばかりなんだから、覚えとけよ。紙がきれたってことは、風だな」
「俺、風なんだってば!?」
そっか、ナルトは風なのか。それなら、もしも性質変化があるなら、風の役に立てそうな火がいいなーと心の中で思いながらも、カトナは手渡された紙をなぞった。
なんの変哲もなさそうな紙だが、性質によって変わるのだ。凄いなと感心した。
「かーぜ! かーぜ!!」
ぱっと、自らのチャクラの性質が発覚しただけなのに無邪気に喜んだナルトを見て、自分もはやくしたいと思ったらしいサスケは、俺も俺もと勢いよく手を上げる。
「そうだな。次はサスケにやってもらおうか」
兄の許可も得たことで意気揚々と紙を手の上に乗せたサスケは、ううーと唸りだす。
横ではナルトが、わくわくしたようにサスケの掌の上にある紙を見つめた。
数分の間の後、サスケの紙に突然しわが入る。
「雷だ!」
「ほんとか!?」
今度は覚えていたらしく、ナルトは勢いよく手をあげた。
サスケはナルトが言ったので信じられなかったようだったが、事実であつことを確認すると、嬉しそうにはしゃいだ。
そんな弟に、イタチは続きを促す。
「サスケ、続けてみろ」
不思議そうに首をかしげながら、サスケは同じように紙に力を込める。今度は先程のものでコツを掴んだのか。数秒の間の後、紙が突然燃え上がる。
「うわっ!?」
「燃えたってば!?」
驚いた衝撃でサスケの掌から地面に落ちた紙を見て、ふむふむとカトナは頷いた。
「サスケは、雷と、火の、二つ、もってるの?」
「そうだ。人によってはチャクラの性質は二つもっていることもある。三つもっている人間は稀中の稀だが、いる。四つ以上はないとされている。よく分かったな、カトナ」
えらいえらいとでもいうように頭を撫でられ、カトナは嬉しそうに笑った。その笑顔に、むっと一瞬だけ口をとがらせたサスケが、勢いよく声を上げる。
「カトナもはやくやれよ!」
最近言葉使いが少しだけ乱暴
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