幼い日の思い出
君と二人で一つ
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あたり、相変わらず頭の回転が速い。
素直に感心しつつ、イタチは身近な例を挙げる。
「あくまで相性が悪いだけだから、鍛え上げれば使いこなすことも可能だ。たとえば、コピー忍者とうたわれるはたけカカシさんや、三代目がいい例だな。特に三代目はすべての性質変化を極めてらっしゃる。ただ、お前たちには相性がいい術しか教えないから、そのつもりでいるように」
イタチの言葉の意味が解らず、なんでだってばよと目を白黒させるナルトの隣で、なるほどとカトナはうなずいた。
五つの性質変化を使いこなせるようになれば、それだけ、たくさんの術を使いこなせるようになるだろう。
それすなわち、選択肢が増えるということだ。戦場で、任務で、多数の行動をとれるというのは、それだけで強みとなる。
だが、裏を返せば、器用貧乏になりがちだ。選択肢が増えても、その選択肢自体が弱いものだったら何の意味もない。
しかも、多数の選択肢が存在するがゆえに、判断ミスを誘ってしまうことがあるのだ。
戦場では一瞬の隙が命取りとなる。
あらかじめ選択肢が少なければ即断できるが、多ければ迷いを生む。
熟練の忍びや天才ならば、その決断も数秒で出来るだろう。
だが、まだまだ幼いカトナたちではその決断には時間がかかる。
イタチの意図を察して、うんうんとしきりに頷くカトナにサスケが尋ねる。
「カトナ、お前、意味が分かったか?」
「なんと、なく。サスケ、は?」
「俺は得意のばした方が勝利のパターンが決まりやすいんじゃないかって考えた」
「どういう、こと?」
「ほら、前に兄さんが言ってただろ。相手に勝つのならば、自分の得意を相手に押し付けることだ、って」
「う、ん。自分に、有利な戦場、を、つくる。自分の、勝利を、安定させる。そうすれ、ば、勝てるって、言ってた、ね」
「で、有利な戦場にできないときは、ひとりでやるのではなく仲間を頼れ、とも言ってたよな」
「うん」
「忍びがフォーマンセルで動くのは、自分にできないことを仲間にしてもらうからだろ? 互いの欠点を生めて、長所を生かすようにされている。だから、自分の欠点を潰すんじゃなくて、周囲の欠点を潰す方が互いの力を高め合えるんじゃないかと、思って」
その発想はなかったと驚くカトナに、サスケは顎をしゃくる。
お前はと無言で問いかけられて、ぽつぽつと自分の考えを聞かせる。興味深そうにカトナの意見に耳を傾けていたサスケが頭の後ろで腕を組む。
そういう考え方もあるのかとうなる彼は、ナルトに目を向けた。
姉と親友の会話を隣で茫然として聞いていたナルトは、慌てて何かを言おうとして。しかし、何も思いつかず、適当に発言する。
「…苦手だとやる気がなくなるから?」
「…お前……」
サスケが盛大に顔を顰め
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