第39局
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。飯島のたった一手の悪手が、せっかくの形勢をひっくり返してしまったのだ。
−しまったっ!ちくしょうっ!油断したか!つい気軽に打ちすぎてしまった。ダメだ、オサエると両当たりになる。取りにいけない。やばい、ここを荒らされては……。何を浮かれていたんだ俺は!
−よし!助かった。飯島さん、勝った気でいたな?これで一気に追いついたぞ!粘った甲斐があった。このまま一気に逆転だ!
この日、小宮対片桐の対局は小宮が勝利し、和谷対飯島の対局は、和谷の逆転で和谷が勝利した。
プロ試験第18戦。
4敗の辻岡が6敗の足立と対局し、無敗のアキラと2敗の本田が対局した。
結果、辻岡が足立に勝利し、アキラが本田に勝利した。
この日は他の上位陣にも黒星がつく者が出た。飯島が院生の中村に敗れ、小宮が外来の畑中に敗れた。成績が下位とはいえ、同じ受験生。いつも上位のものが勝つとは限らないのだ。
そして1敗の伊角までもが、外来の石川に敗れたのだった。
−つい、勝ちを意識しすぎて守りに入ってしまった…。だめだな、あそこに手数をかけすぎてしまった…。初めての対局で堅く行き過ぎたなんて、言い訳だな……。これで2敗か。塔矢が崩れない以上、何とか踏みとどまらないと。
伊角は、堅く打ちすぎて負けた今日の自分が、非常にふがいなかった。歯を食いしばりながら、誰とも会話をせずに対局室を後にした。
この日アキラに負けた本田は、伊角の負けを見て内心ほっとしていた。
−今日塔矢に負けたのは残念だったけど、伊角さんも取りこぼしてくれた。これは大きい。伊角さんは確かに強いが、ちょっともろい所もある人だもんな。去年もそうだったんだ。院生での成績が負けてるとはいえ、まだチャンスはある!
そして、この日無事に勝利した奈瀬もまた、伊角の負けには胸を大きくなでおろしていた。
−今日伊角君が負けてくれたのはすっごい助かるな。しかも相手はそれほど強い人じゃないのがラッキー。そして伊角君は、次が和谷とだ。成績上位同士で、どっちに黒星がついても私には有利…。これでちょっと楽になったかな?18戦が終わって、残り9戦か。もう一息ね。
ここまでの結果、上位陣の成績は以下の通りとなった。
塔矢 18勝
奈瀬 17勝1敗
伊角 16勝2敗
本田 15勝3敗
和谷 15勝3敗
辻岡 14勝4敗
真柴 13勝5敗
小宮 13勝5敗
飯島 12勝6敗
足立 11勝7敗
片桐 10勝8敗
トップのアキラが仮に残りの9戦を4勝5敗で負け越したとしても、22勝5敗。この数字にギリギリたどり着けるのは現在5敗の真柴と小宮が残り全勝した場合。それ以下の飯島、足立、片桐がトッ
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