暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos23聖夜に生まれし遥かなる夜天の王〜Meister des Nachthimmels〜
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っぱい。

「っ、このような・・・」

これで内と外のアウグスタさんが同時に攻撃を受けたことになる。斬られた個所に炎を燻らせながら地面に叩き付けられたアウグスタさん。それと同時に血みたく真っ赤やった地獄のようなこの世界全体が一斉にひび割れて砕け散った。新しい世界は一言で言えばとても綺麗な「夜空・・・!」やった。まるで星の海を漂ってるようや。

「主はやて。防衛プログラム・ナハトヴァールの支配が弱まりました」

「うん!・・・シュリエル。こっちに来てくれるか?」

「え?・・・はい」

アウグスタさんがフッと吹けば砂のお城のように脆く崩れ去ってしまいそうなほどに弱ってる今なら。そやからここで、そしてこれからわたしがすべきことを想う。そのためにアウグスタさんを警戒してるシュリエルにこっちに来てくれるようお願いした。

「まだよ・・・まだ、まだ終わりじゃ――」

自分の体が崩れてもなお立ち上ったアウグスタさん。

「止まって!」

「っ!?・・ぁ、ぐ、あ・・・か、体が・・・?」

思うた通りや。アウグスタさんはもう、主のわたしより下の存在になってしもうてた。両脚が崩れて倒れ伏したアウグスタさんはただ、「うぅ・・ぅ・・」呻き声を上げるだけになった。

「主はやて・・・?」

「あんな、ずっと考えてたことがあるんよ」

わたしはシュリエルの顔へと両手を伸ばす。と、シュリエルはスッと片膝立ちしてわたしの手が届くまでにしてくれた。わたしはそっとシュリエルの両頬に手を添えて、とっても綺麗な深紅の瞳を覗き込む。

?―?―?回想や?―?―?

「なぁなぁ、ルシル君。クリスマスの日な。すずかちゃんが、みんなをお家に招待してクリスマスパーティをやるんやって♪ わたしらみんなもお呼ばれすることになったんよ」

シグナム達と暮らし始めてから随分と久しぶりにルシル君と2人きりになれた。シグナムとヴィータとザフィーラは蒐集活動で、シャマルとシュリエルは買い物や。以前と同じように2人してソファに腰掛けてのんびり過ごす。

「へぇ。じゃあ、イブは俺たち家族だけでパーティでもしようか?」

「うんっ、そうやな、それがええな!」

イブは家族だけで、本番は友達みんなで。今年は最高のクリスマスになりそうや。去年は石田先生と2人きりやった。別につまらんかったとか、そんな後ろ向きな気持ちやなかった。けど、どこか寂しかった。でも今年はちゃう。みんなが居る。期待に胸膨らませてると「・・・はやて」ルシル君がわたしを呼んだ。

「ん?・・・っと!」

左隣に座るルシル君に振り向く。と、ルシル君がジッとわたしの顔を見てたから心臓がドキッと跳ねた。なんとか顔を逸らすようなあからさま反応をせんように出来たけど、ちょう怪しいよなぁ
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