暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos23聖夜に生まれし遥かなる夜天の王〜Meister des Nachthimmels〜
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タさん――ナハトヴァールがはやてちゃんとシュリエルさんを抑え込む力を弱めることが、2人を助ける方法だって」

「でも問題のアウグスタがどこに行ったのか判らないじゃない」

「ひょっとしてなのはちゃんとフェイトちゃんの魔法で・・・?」

すずかから向けられた視線に「ふえ!?」なのははビクッと肩を竦ませて、私は頭を横に振った。どれだけ威力があっても非殺傷設定だから、消し飛ばすなんてことは絶対にない。

「そもそもルシリオンは何をやっている? まだ自分の使い魔と戦っているのか? エイミィ」

『こちらアースラのエイミィ! ルシル君ならたった今、怪獣大決戦を終わらせて、ちょっと休憩中みたい』

私たちの前にモニターが展開されて、道路の真ん中で大の字になって横になっているルシルが映し出された。それを見たシャルが「お疲れ様、ルシル」見ていてドキッとするくらいに可愛い笑顔を浮かべてそう労った。でもその表情はすぐに険しくなって、「こっちももうちょっと頑張ろうっか」そう言って海面を見下ろした。

「まさか・・・!」

私も海面を見る。と、派手に水柱を上げて飛び出して来たのはやっぱりアウグスタだった。でもこれまでと違ってバリアジャケット――騎士甲冑は見るも無残にボロボロで、息を絶え絶えと言った様子。当然とも言える。さっきまでと違ってシャルに防御を全部抜かれた状態で、私となのはのコンビネーション魔法を受けたんだから。それでもなお存在しているアウグスタの執念や妄執にはもう、脱帽するしかない。

「すぅぅぅ・・・・はやてぇぇぇぇーーーーーッ!」

突然シャルがはやての名前を叫んだ。呆気にとられる私たちを余所に「シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、シュリエル! しっかりしろ! いつまで寝てる!? とっとと起きろ!」叱咤した。
シャルの目が、私たちも、って言っているようだったから、「はやて!」私も、「ヴィータちゃん!」なのはも、「シグナム!」アリサも、「シャマルさん!」すずかも、「ザフィーラ!」アルフも、「シュリエルリート!」クロノも、みんなが八神家の名前を何度も叫ぶ。

「??・・・一体なにをし、て・・・え?・・・な・・・」

アウグスタの動きが急にぎこちなくなった。いま自分の身に起きていることが信じられないといった風に目を見開いて、「馬鹿な・・・!」左腕のナハトヴァールを押さえて苦しみだした。

「なのはとフェイトの魔法は確かに届いていたんだよ。はやて達が目覚めるきっかけとしては十分だって言うほどに」

≪カートリッジを全弾ロード≫

“キルシュブリューテ”のカートリッジをロードして刀身に魔力を付加したシャルが「遅刻した償いとして、私がアウグスタをブッ倒す!」そう言って“キルシュブリューテ”を頭上に掲げた。


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