暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos23聖夜に生まれし遥かなる夜天の王〜Meister des Nachthimmels〜
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にあれほど完璧な飛行能力を得ることが出来るのか、とな。なのはやすずかのような天才なら出来るだろうが、シャルとなると・・・。あともう1つ。術式名の変化。レーベンヴェルト語を使うのは前世のシャルだ。ここまでかつての彼女との共通点が表に出ているとなると、もしかすると今の彼女は・・・。

(とにかく。今ははやて達の元へ行こうか)

――瞬神の飛翔(コード・ヘルモーズ)――

剣翼12枚・蒼翼10枚を背に展開し、空へと上がる。目指すは白い魔力の柱がある海上。あれは先の“闇の書”事件でも見た、はやて達の復活の証明だ。飛行速度を上げて一直線に海上を目指し、肉眼で魔力の柱とその周りにたむろしているなのは達を捉えるところまで来た。
真っ先に俺に気付いたのは「ルシル!」シャルだった。ドキッとした。完全に俺の知っているシャルの笑顔だったからだ。いきなり抱きついて来ようとしたためヒラリと躱し、「んもう!」それでもなお諦めないため、顔面を右手でガシッと掴む。

「なのは、フェイト、アリサ、すずか、アルフ、クロノ、あとシャル。本当にありがとう。心より礼を言うよ」

深々と頭を下げて感謝する。するとなのは達は笑顔で強く頷き返してくれた。だと言うのに「ルシル〜?」この馬鹿は。掴んでいる右手を放してすかさずシャルの広い額にチョップを繰り出す。

「みゃ゛っ!?」

『いい加減にしろ。君は、前世のシャルだな・・・?』

念話でシャルに確認を取ってみる。するとシャルは攻めを中断して『久しぶり、私の初恋(ルシル)』そう返事をした。確定だ。今のシャルはイリスではなく、正真正銘のシャルなんだ。見詰め合う俺とシャルを訝しみながら見ているなのは達の視線は心地がちょっと悪いため、「まぁ、なんだ・・・」コホンと咳払いをひとつ。

「ま、戯れもここまでにしないとね」

シャルが俺から離れて行き、魔力の柱へと視線を移したことで俺たちもそっちへ振り向く。柱の途中にははやての居る球体状の魔力塊、その周りにはシグナム達の居る4つの魔力塊がある。それらが一際強く光を発した。さぁ、目覚めの時だ。

「我ら、夜天の主のもとに集いし騎士」

「主在る限り、我らの魂尽きることなし」

「この身に命ある限り、我らは御身のもとに在り」

「我らが主、夜天の王、八神はやての名のもとに」

最初に姿を見せたのはシグナムたち守護騎士だ。足場としてそれぞれの魔力光に輝くベルカ魔法陣の上に立っている。なのは達がそれぞれ名前を呼びつつ喜び合っている姿を見ていると、「頑張ったね、ルシルもさ」そっと俺に耳打ちしてきたシャル。俺はそれに「そうでもないさ」と微苦笑を返すだけ。
アウグスタという邪魔者の存在さえなければ、と思ってもいたが・・・この結末でも十分あの子たちとの絆を確かなものに
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