2ndA‘s編
第七話〜悲しい怒り〜
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ことの証でもある。
別にリンディ本人も管理局が清廉潔白でクリーンな組織である盲信するほど、若くも夢見がちでもない。世の中にとってもそう言うものが必要であると理解はしている。
だが、今幼い子供の居る前でそれを理由に持ち出されるのは卑怯と感じ、理不尽と感じるほどに彼女はまだ善人であった。
「…………質問がないようなら、次はこちらの疑問に答えていただきたい」
「何かしら?」
ライの言葉にしばし自分がほうけている事に気付いたリンディは、動揺を表に出さないように返事を返す。内心『見透かされてないかしら?』と考えていたが、今は目の前の会話の相手に意識を集中させた。
「貴方は管理局員であるのなら、なぜあの場に私服でいた?プライベートの時間中に突然出動したのは察せられるが、何故バリアジャケットを展開していなかった?もし展開していたのなら、僕もお構いなしにデバイスを使用していた」
卑怯な言い回しをしていることを自覚しつつも、ライは淀みなく言葉を言い切る。
要約すると『僕が怪我をしたのはそちらにも非があるのだから、質問に答えろ』ということだ。
「……管理局員である前に私個人で決着をつけたい案件でもあるのよ」
ライの言いたいことを察した彼女は訥々と語り始める。
今回の事件にロストロギア『闇の書』が関係していること。
過去に自分の夫が闇の書によって命を落としたこと。
そして、その決着をつけたかったこと。
その説明が終わる頃、室内はしんと静まり返っていた。その場にいるなのは、フェイト、アルフの三人は悲しみの表情を浮かべ、どこかリンディを気遣う視線を送る。
リンディはその三人の態度に愛おしさを感じながら笑みを返す。そこに込められていたのは『私は大丈夫です』という大人としてのプライド。
そんな、少しだけ穏やかな空気の中、ライは一人だけ目を瞑り、無表情を貫いていることに蒼月以外が気付くことはなかった。
「フェイトさん、アルフ、二人には悪いのだけど、お仕事の方に戻ってもいいかしら?」
どこか子供っぽく、おねだりをするようにリンディはそう告げる。それに笑顔と頷きで返す二人に感謝するようにリンディも再び笑顔を浮かべた。
「……言えることはそれだけですか?」
弛緩した空気の中、その声はよく響いた。
硬質な声はその場にいる全員の耳朶を打つ。声の主に視線を集めた一同は、そこで初めてライの雰囲気が飄々としたものから変化していることに気付く。
「え、ええ……」
なんとか、そう返したリンディに「そうか……」と言い、悲しそうに目を伏せたライは、座っていたソファーから立ち上がり、座っているリンディの前に移動する。
急に雰囲気が変わり、突然動いたことに混乱していた彼女は、次のライの
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