2ndA‘s編
第七話〜悲しい怒り〜
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ランペルージさん。あの空間……結界内にいた事の説明と騒動に踏み入った経緯を教えてください」
この場にいる最年長者としての義務感か、若しくは会話のイニシアチブを取るためかは定かではないがリンディが代表としてライに問いかける。そんな彼女の目には真剣な色が濃く、ある意味で彼女の決意が窺い知れた。
(……さて、どうしたものか)
内心でどのような対応をするかを考えていたライであったが、これまで一般人を装ってきたことで動きづらいと感じていた為、ここは思いきってある程度の真実を話すことを決めた。その際に『開き直り』と言う単語が脳裏に過ぎったが、ライはそれを全力で無視する。
「一度目の……僕がそこにいるなのはちゃんとフェイトちゃんに、初めて接触した時は本当にただ巻き込まれただけですよ」
「何故あの時、あそこにいたのかしら?」
「探し物があったから探していただけですよ。元々その為にこの世界に来たのだから」
ライの最後の言葉に部屋に沈黙が落ちる。
彼の言葉にリンディは目を細め、なのはとフェイトは小首を傾げるという違った反応を見せていたが。
「……貴方は先ほど異世界人であることを否定しなかったかしら?」
「この世界の住人である可能性のある人物に正直に話す必要性はありませんよ」
突き放すような言い方をするライであったが、それはある意味でライの思惑通りであった。
「私たちは管理局の関係者であり、あの時点ではそれに答えてもらう義務が次元世界から来た貴方にはあったのだと思うのだけれど?」
「お生憎だが、こちらは個人的な目的で来ているわけではない。それについての秘匿義務も当然存在する」
「どういうことかしら?それは管理局にばれると都合が悪いと言う受け取り方も出来るのだけれど」
彼女の目が一層険しくなる。それをさらりと流しながらも、ライは内心「いけしゃあしゃあと」と自分を詰りながらも口を動かす。
「確かに公にすれば管理局にとっては都合が悪いかもしれないが、な」
試すような視線をリンディに向けるが、彼女はその視線に困惑するだけだ。痛くもない腹を探られるというよりは、身に覚えのない罪を指摘されているといった風なその表情にライは内心で彼女の警戒心を下げた。
ライは自然な動作でネックレスである待機状態の蒼月を取り出す。突然の行動に身構える彼女たちを無視して、ライは自分の相棒に指令を下す。
「起きろ、蒼月」
その言葉とネックレスの発光でその場にいる人間はそれがデバイスであることを理解させられた。そんな周りの反応も意に返すことなく、ライは言葉を続ける。
「個人データを出力。秘匿権限の設定はいじるな、最低限で構わない」
その命令に従い、蒼月は一度発光した後にあるデ
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