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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
19.始まりの予兆
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古城の旧友、仙都木優麻と彩斗の母親、緒河美鈴と妹、緒河唯をともに絃神島の観光案内をして矢瀬オススメの小さなカフェテリアに入る。少々古びた店内は、いい雰囲気だ。
四人がけのテーブルしか空いてなかったため、中等部の三人と高校生組、残りというわかれて座る。
高校生組は彩斗と友妃、そして古城と優麻のグループだ。普通に考えれば、美鈴と唯の席に彩斗が座るのが普通だが、なぜかこのような座る配置になってしまった。
古城と優麻が料理を受け取りに行ったので、彩斗と友妃は荷物番となった。
だが、彩斗はかなり落ち着かない。
美鈴と唯が自分の過去の弱みを浅葱と矢瀬に言わないか気がかりでしょうがないのだ。
「ねえ、本当にあの人が彩斗君のお母さんなの?」
オレンジジュースを一口飲んでから友妃が彩斗に訊く。
「あぁ、一応は実の母親だけど。まぁ、逢崎が言いたいのは、あの見た目のことだろ?」
友妃はこくりと頷く。
「あの人は、若作りするのが上手いだけだよ」
そんな会話のうちに古城たちが、山盛りの料理をトレイに乗せて戻ってくる。
「お待たせ。適当に注文してきちゃったけど、こんな感じでよかったかあ」
「うん。ボクと彩斗君ならなんでもいいよ」
「あぁ、俺は食えるならなんでも食うぞ」
トレイに盛られていたホットドッグを手に取りながら、彩斗は答えた。
「美味しいね、これ」
そう言ってスープを口に運ぶ、優麻。
「そんなに美味いのか?」
「うん。すごくおいしいよ。よかったら緒河君も、どう?」
優麻はスープをすくい上げたスプーンを彩斗の前へと差し出した。いわゆる「はい、あーん」という姿勢だ。しかも、それは優麻が使っていたスプーンだ。つまりは、間接キスになるのだ。一瞬、どうしようかと考えたが、応じるままに彩斗はスープを食した。
「お、美味しゅうございます」
「だよね。よかった」
「なんでそんな喋り方なんだよ、お前は」
「うるせぇ!」
熱くなる顔を必死で隠しながら、古城に反論する。
「彩斗君……変態」
「なんでそうなるんだよ!?」
完全に優麻の性格に翻弄される彩斗だが、それは彼女にとってごく一般的なことでしかないのだ。そんな優麻を知っている古城は平然と食事を続けている。
「……これは反則だわ」
「そうね。優麻ちゃんと間接キスできた感想はどうだった彩斗くん」
「うわぁ!?」
不意に下から聞こえた予期せぬ声に彩斗は声を上げる。
「テメェはいきなり話に入ってくんじゃねぇよ!!」
彩斗と友妃の間にしゃがんだ状態で笑みを浮かべる美鈴。
「だって、浅葱ちゃんと矢瀬くんがなんだか忙しそうにしてるんだ
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