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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
19.始まりの予兆
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一晩で終わらせなければ明日は、もっとひどい状況になる。
これが十年前に起きた事件……闇誓書事件と同様ならなおさらだ。
「あぁー、もう全然終わらないじゃない!」
『嬢ちゃん、まだ半分残ってるぜ』
「うっさい! わかってるわよ!」
人工知能に怒声を浴びせながら作業に戻る。
「ここが浅葱ちゃんのマイルームなんだね」
不意に聞こえた声に後ろを振り向く。
そこには、見覚えのある女性の姿があった。
「え? なんでここに彩斗のお母さんがいるんですか!?」
突然として現れた女性。昼間は一緒に行動していた彩斗の母親、緒河美鈴が満面の笑みを浮かべてそこにいた。
「大丈夫よ、浅葱ちゃん。わたしは別に勝手に侵入してきたわけじゃないから」
美鈴は笑顔を崩さないままで浅葱が座る椅子へと近づいてくる。
「これが、絃神市内の現状況ってわけね。……うん!」
なぜか勝手に納得している美鈴。
「あのー、彩斗のお母さん?」
「私のことは、美鈴、もしくはお母さんでも構わないわ」
そういって美鈴は、浅葱を椅子から引きづり下ろす。
「って、ちょっと!」
「大丈夫よ、浅葱ちゃん。あとは、美鈴さんに任せて、あなたは休憩してなさい」
美鈴が先ほどまで浅葱がやっていた作業を行えるわけがない。モグワイの協力があったとしても無理な話だ。
だが、浅葱はその光景に驚愕した。
なぜなら、美鈴は浅葱が先ほどまでやっていた作業を完璧にこなしているのだ。
「あなたは……いったい?」
驚愕を隠せない浅葱に美鈴は笑顔で振り向き当然のように言う。
「私は、ただの彩斗くんの母親よ」
美鈴は再び作業に戻った。
『まあ、嬢ちゃんは気にせず休憩に入ってくれ。あとはこの人に任せれば問題ないと思うぞ』
モグワイの言葉に浅葱は半信半疑だったが、この人工知能が言うのなら問題はないのだろう。
浅葱は今までの疲れが襲ってきたように眠りについた。
『それにしてもまさかあんたが現れるとは予想外だったぜ』
「そんな芝居ばっかしてるとウイルス送り込むからね、モグワイ」
美鈴は画面に映る人工知能へと悪意のある笑顔で微笑みかける。
『だが、あんたが直々に来てくれたのは助かったぜ。嬢ちゃんの負担も消えたことだしな』
「私は浅葱ちゃんのために行ってるの」
『素直じゃないね。まあ、昔からだがな』
モグワイは、皮肉のように美鈴に言う。
美鈴はそれを無視して作業を続ける。
『まあ、もう少し、手を貸してもらうぜ。……“電脳の姫”殿』
「つくづく感に触る人工知能だね、あんたは」
「あの人は、どこをほ
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