高校2年
第四十七話 けじめをつけろ
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、その時、ジャージのポケットからスマホが抜き取られた。
「なっ!枡田ッ!」
「廉太郎君押さえといてー」
「おっしゃー」
枡田がピンポイントで宮園のスマホを探り当て、コソ泥枡田を追いかけようとした宮園を鷹合が押さえつける。枡田はスマホの画面ロックをいとも簡単に解除して、声を上げた。
「うわっ!青野さんから今日もメール5件来てるやん!青野さんメンヘラちゃうんこれ!?」
「……2時間前のに返事してないって事は、やっぱり今日も無視する気満々って事やね」
枡田と京子にスマホの中身をしっかり漁られている宮園は、圧倒的体格の鷹合に締め上げられて何もできない。
「明日練習OFFやさけなー。で、どこ集合にする?」
「近くの公園にしよー。あたしらも監視しやすいけん。」
「…………」
枡田と京子によって勝手に青野からのメールに返信される様子を、宮園は半泣きで見ていた。
普段は周りが宮園を立てているので、こんな惨めな目に遭うのは高校に入って初めてである。自分をネタにされるような経験は。
「はい、明日の5時に清本公園の噴水前で会う事になりましたー。」
「光君、ちゃんと会って話してくるんよー。逃げたらコロすけんねー。」
「…………」
後輩2人に見下ろされ、宮園はタジタジだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日、三龍高校の近くにある清本公園の噴水前。
時刻は17時の5分前。
「…………」
不安げに周囲をチロチロと見回す青野が居た。
青野の髪は一年の時に比べて伸びていた。宮園の好きな女優が長髪だったという事から、少し伸ばしたのである。その長い髪も、宮園が居ない今は少し鬱陶しい。髪先を弄りながら、青野は宮園の姿を探す。
「あ」
「うす……」
そこに、実に気怠げな顔をした宮園がやってきた。青野は気まずそうに目線を逸らすが、しかしすぐにいつも通りの笑顔を作った。
「光君とちゃんと会うの、久しぶりっちゃね。最近光君忙しそうやったし……」
「別れよう」
何とか他愛ない話で間を持たせようとする青野をピシャリと遮った宮園の一言に、青野がビクッと反応する。宮園は続けた。
「元々そんなに好きでもなかった。茶番だったんだよ。今の俺にはもう彼女は必要ない。暇を潰していたんだ。付き合わせて悪かったな。」
「…………」
何の遠慮もない、余りにも冷淡な言葉。
青野はしばらく黙る。が、その沈黙の後に出てきた言葉は、宮園にとっては意外なものだった。
「分かってたよ、そんなこと」
青野は俯き加減に言った。
「光君があたしの事なんか見てないって分かってたし、あんまり楽しそうじゃないのも分かってた。でも、いつか、付き合っていればこっち向いてく
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