第四章
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それをしてみせてだ、こう言うのだった。
「顔とかもこうだろ」
「だよな、それだよ」
「もうそうして」
「それで将軍様がこう」
女の子の一人が行進を見る将軍様の真似をしてみせる、ぬぼうっとした顔で手を叩くがそれがまた妙にだった。
そっくりだ、それでまた皆笑い転げて言う。
「それだよ、それ」
「そんな感じなのよね」
「何か表情なくて」
「嬉しくないだろあんたって感じで」
「あんたの為の行進なのに」
「全然嬉しくなさそうで」
「楽しくなさそうなのよね」
皆で笑い転げながら話す、挙句には。
一人が将軍様の似顔絵を描いて皆に見せてきた、それがまたやけにそっくりで僕は死にそうになる位笑って言った。
「そっくりだね、その絵」
「いや、俺も描いてみてな」
「自信作だよね」
「将軍様目茶苦茶描きやすいよ」
どうもそうらしい。
「インパクトがあるからな」
「特徴ある顔だからな」
「まあ夢に出て来たらな」
これはもう誰もが経験があることだった、僕にしても。
こうだ、こう言うのだった。
「ああ、何か目覚め悪いよね」
「そうだよな、はっきり言ってな」
「やっぱり皆夢でも会ったんだね、将軍様」
「私なんてね」
女の子の一人が言うことはというと。
「結婚式の相手がね」
「あっ、将軍様だったの」
「あの人だったの」
「そうなのよ、旦那様誰かって思ったらね」
それが、だったというのだ。
「何とホワイトのタキシードの将軍様」
「うわ、最悪」
「それないわ」
「もう見た瞬間絶望」
「うちの馬鹿兄貴の方がましよ」
「本当にね」
女の子同士で話していた、それはとてもというのだった。
この話は僕達にはわらかなかった、けれどどうも女の子達にとって結婚式の相手が将軍様というのは最悪らしい、それでも笑いながら話していたが。
「それで私ね」
「ええ、どうしたのよ」
「夢で将軍様と」
「キスしたの?」
「したのよ、これが」
僕も他の男の子達も横で話を聞いていてうわ、だった。思わず声に出してしまった位だ。
「もうね」
「それはまた最悪ね」
「あの将軍様とキスなんて」
「幾ら何でもね」
「ないわよ」
「そこで目が覚めて」
アウトになったところでだったらしい、話を聞いてると。
「起きたらもう寝汗でぐっしょりよ」
「それは本当にね」
「災難ね」
「それは同情するわ」
「私だって嫌だし」
「私もよ」
「これまで見た中で一番の悪夢だったわ」
妖怪に襲われるよりも死刑になるよりもだったらしい。
「それこそね」
「そうでしょうね、将軍様のキスなんて」
「もう最悪よ」
「私も嫌だし」
「私もよ」
こう話していた、女の子達はかなり真剣に話していた。そうした話をし
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