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脚気
第四章
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したことはない」 
 山縣もそれで頷くのだった。
「露西亜との戦争は避けられぬ」
「それは確かに」
「避けたいですが」
 これは彼等だけの本音ではなかった。政府の領袖である伊藤博文も同じ考えであった。誰もが露西亜との戦争は避けたいと思っていた。明治帝もであられた。
「ですがそれでも避けられるかというと」
「無理です」
「それは」
「そうだ。我等が避けたくともだ」
 山縣のその厳しい表情がさらに厳しいものになっていた。

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