第五章
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「その場合はこれを使っておった」
「レイピア・・・・・・」
長老は魔法の力を溜めながら懐から小さな銀のものを出した、それは瞬時に大きくなりレイピアになったのだ。
「潜ませてやがったか」
「先の先を読んでこそじゃ」
相手の策略をだというのだ。
「この戦御前さん達の負けじゃ」
「ぬかった・・・・・・」
「では地獄で眠ってくれ」
長老は首領、そしてゴブリン達に死の宣告を行った。そうして。
魔法が放たれた、首領も周りのゴブリン達も吹き飛ばされて消えた。
ゴブリン達はエルフ達の総攻撃により壊滅し生き残った僅かな者達はほうほうの体で逃げていった、長老を人質に取ろうと策略に専念しエルフ達への対応を怠ったことが仇になった。その結果の彼等の惨敗だった。
勝利したエルフ達は森を守ることが出来た、彼等はこのことを喜び森の様々な生きものを彼等の村に呼び勝利の宴を開いた。
その中でだ、彼等は勝利の最大の功労者である長老にこう言った。
「長老のお陰です」
「自ら敵の中に入られてです」
「そのうえで敵の目を引き付け中から攻撃されたからこそ」
「敵の首領を吹き飛ばされたからこそ」
「我々は勝てました」
「それが出来ました」
「何、当然のことじゃ」
長老は微笑みエルフ達に告げた。
「わしがああしたことはな」
「当然ですか」
「そう仰るのですか」
「そうじゃ、わしはこの村の長老じゃ」
即ち森を守るエルフ達の指導者だからだというのだ。
「ああしたことはな」
「当然ですか」
「長老だからこそですか」
「そうじゃ、何かを守る為には」
村、森に限らずだ。
「智恵と力、そしてじゃ」
「そして?」
「そしてといいますと」
「勇気が必要なのじゃよ」
それもだというのだ。
「この三つがな」
「智恵と力とですか」
「勇気がですか」
「その三つが必要ですか」
「そうなのですね」
「そうじゃ、その三つがあってこそ守れるのじゃ」
長老は穏やかだが確かな声で答える。
「何もかもがな」
「そうなのですか」
「全てが」
「確かにわしも恐怖があった」
策略とわかっていてだ、敵の中に入ることはだ。
「しかしそれでもあの時はな」
「中に入ることがですか」
「最もよかったからですか」
「うむ、そうした」
勇気を奮ってだ、そうしたというのだ。
「それが為に森を守れたのじゃよ」
「勇気もあったからこそですか」
「智恵と力だけでなく」
「わし等は連中の性根と策略を見抜く智恵があった」
「そして連中と戦う力もですね」
「それもありましたね」
「しかしじゃ」
この二つがあってもだというのだ。
「勇気がなかったならばな」
「戦えなかった」
「そして守れなかったのですね」
「その通りじ
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