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名古屋攻勢
第五章
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 この際だ、遥は正幸に問うた。
「ドラゴンズの歴史は知っとるだぎゃ?」
「いや、それが」
 西武ファンだ、それならだった。
「西武のことは詳しいだがや」
「それでもだぎゃ」
「ドラゴンズについては知らないだがや」
「それは駄目だぎゃ」
 即刻だった、遥は夫に駄目出しをした。
「失格だぎゃ」
「じゃあ今すぐにだぎゃ?」
「ドラゴンズのことを勉強するだぎゃ」 
 そうしなければならないというのだ。
「絶対にだぎゃ」
「それじゃあこれからは」
「お父さんもお兄ちゃん達もドラゴンズのことには詳しいだがや」
 幸いにというよりかはそれが普通だという口調であった、名古屋では。
「教えてもらうだがや」
「そうだぎゃ」
「西鉄の頃から知っていてもだぎゃ」
 西武ライオンズの前身は西鉄ライオンズだった、三原脩の頃は野武士軍団として黄金時代を築いたこともあった。
「名古屋ではあまり意味がないだがや」
「そうだぎゃ」 
 正幸は妻の言葉に無念の顔で返した。
「それよりもドラゴンズだぎゃ」
「よくわかっただがや」
「ドラゴンズの曲は全部覚えるだぎゃ」
 このことも絶対にという口調だった。
「わかっただがや?」
「よくわかったぎゃ」
 それが名古屋というkとがだ。
「そのことが」
「とにかくドラゴンズだぎゃ」
 野球ならというのだ。
「ドラゴンズなら飛ぶ様に売れるだぎゃ」
「大阪での阪神みたいだがや」
「そのままだぎゃ」 
 大阪の阪神にあたるのが名古屋では中日だというのだ、とにかくそうした話をしてだった。
 店は結婚の引き出ものとドラゴンズグッズを売る様にした、その時に。
 正幸は商売繁盛のお願いに一家で熱田神宮に参拝した、そこで手を合わせてからだった。
 正幸は遥にだ、熱田神宮の中でこう問うた。
「熱田神宮って商売繁盛だったぎゃ?」
「さあ。知らんだがや」
 これが遥の返事だった。
「私は」
「じゃあどうなんだぎゃ」
「ええんだがや。そのことは」
 商売繁盛の神様であろうがなかろうがというのだ。
「だってここは信長さんも参拝したがや」
「桶狭間の前だっただぎゃ」
「そうでりゃーーす」 
 遥はこう自分の夫に返した。
「それで信長さんは今川義元を倒したがや」
「だからご利益があるだがや」
「商売もだがや」
 だからいいというのだ。
「暑田神宮は何でも適えてくれるだがや」
「そういうことだがや」
「だからいいんだぎゃ」 
 こう言ってだ、そのうえで。
 一家での参拝も終えてさらに商売に励んだ、とにかく店の中では名古屋とドラゴンズの曲ばかりかかりだった。
 引き出ものの服にドラゴンズの服を売った、正幸は自ら店の前に立って名古屋の老若男女に対して声をかけた。
「さあ
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