第六章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初
成し遂げた。二年連続最下位からのまさに奇跡と言っていいものだった。
代打逆転満塁ホームランを打ち優勝を決めた北川博敏をナインが総出で迎える、無論盛田もその中にいる。
そこで歓喜の渦に包まれながらだった、彼は胴上げの後の梨田にこう言った。
「優勝まで出来たなんて」
「夢みたいやな」
「はい、本当に」
「これも野球やろな」
梨田もだ、満面の笑みで盛田に言った。
「御前が復活出来てチームも優勝出来た」
「最下位から」
「そやから野球は面白いんや」
「そして素晴らしいものですね」
「止められへんものや」
梨田はこう盛田に言った、盛田にとってこのシーズンは永遠に忘れられないものになった。
もう盛田は引退して今では横浜スタジアムで球団職員、そして野球解説者として暮らしている。今も野球に関わっている。それで妻にもこう言うのだった。
「野球は止められないな」
「そうね、何があるからわからないから」
細君も笑顔で盛田に言う。
「復活出来てしかも優勝まで出来て」
「だからな」
「あなたもこれからもね」
「ああ、野球をやっていきたいな」
こう妻に言うのだった、盛田は今も野球をしている。一度は諦めかけた野球を。
不死鳥 完
2013・12・19
[8]前話 [9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ