第一章
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まだまだ時間がある」
「今のうちにですね」
「診断受けさせてや。痛風やったらや」
その時はというのだ。
「治療させなな」
「はい、食事も制限とかして」
小林も佐々木の言葉に頷く、彼等はこの時はこう考えていた。二人共楽観はしていないつもりだったが後に自分達の考えをそれだったと思うことになった。
盛田は診断を受けた、その結果を聞いてだった。呆然となった顔で医師に問い返した。
「あの、それは」
「残念ですが」
本当のことだとだ、医師も沈痛な面持ちで話す。
「脳腫瘍です」
「頭にですか」
「大きさはゴルフボール大というところでしょうか」
相当な大きさだ、脳腫瘍としては。
「しかも場所が悪いです」
「何処ですか、主要の場所は」
「スポーツ脳のところです」
よりによってだ、そこだというのだ。
「そこにあります」
「そんな、それじゃあ」
「はい、幸い腫瘍は良性です」
悪性のものではないというのだ、せめてもの救いの様に。
「そうではないです」
「けれどですね」
「そこにあります」
脳の中のだ、スポーツを司る部分をだというのだ。
「手術は成功します、ですが」
「野球選手としてはですか」
「普通の生活に戻れましても」
医師の言葉も苦しい、その苦しい言葉もこれ以上は出せなかった。だが盛田は沈痛ながらも何とか言った。
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