第三章
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「ええ、けれど」
「けれど?」
「凄いわね」
素直に感嘆してだ、私は彼に行った。
「あの教会から駆けてくるなんて」
「いや、間に合わないか必死だったよ」
「途中で抜けられたでしょ」
「それだとよくないから」
ここでもこう言う彼だった。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、来たんだ」
「頑張ったっていうか」
「デートも絶対に間に合わせないといけないから」
「どっちもなのね」
「よかったよ、本当に」
ミサに出られてデートに間に合ってもというのだ。
「映画館だね、今から」
「行きましょう」
微笑んでだ、私は彼に言葉を返した。
「わかったからね」
「わかってくれたんだ」
「あなたがね」
彼のその顔を見ての言葉だ。
「だから今から映画館に行きましょう」
「うん、それじゃあね」
彼も応える、こうして。
私達はデートをはじめた、私は彼の杓子定規に内心呆れながらもその生真面目さは余計に好きになった。必死に約束を守ってくれる彼をさらにだ。必死にここまで守ってくれる人は心から信頼出来るし安心出来ることもわかった。
それでだ、一緒に歩きはじめた彼にこうも言った。
「約束を守ること、ルールを守ることも大事よね」
「僕がいつも言ってることだよね」
「そうね、じゃあね」
「うん、僕はこれからもそうするから」
「お願いするわ、それでね」
私は彼に笑顔で応えた、そうしてその彼と二人でデートを楽しむのだった。
十戒 完
2013・9・2
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