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ボロボロの使い魔
『孔雀』と『雪風』
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く無い。

重要なのはもう一つ、これが一番の原因なのだが。
自分が弱体化しているという事実だった。
小娘一人一撃で殺せなかった自分が『仮面ライダーギャレン』と対峙して果たして勝てるのか。
その結果をプライドだけで無視するには伊坂は賢すぎた。
陰から暗躍しようにも今の自分では人間一人洗脳することさえ出来ないのだ。加えてろくな文明も無いこの世界で『ライダーシステム』に対抗するなにかを産み出すのは現実的ではなかった。

『ギャレンバックル』を奪う事も考えないでは無かったが自分が手にした所で意味など無い。
この世界にいるかもどうかわからない適合者を探し与える訳にもいかない、反逆されては一大事だ。

故に、伊坂は橘に一時の共闘を提案する。
橘の『仮面ライダーギャレン』の力を味方につける必要があった。
…今の自分の力だけでは未知なるこの世界はあまりに危険すぎる。

いささか、臆病とさえいえる伊坂の、この思考。
だが、無理もあるまい、もしもこの世界で倒れたら、自分は死なないが仮に『魔法』が自分を封印する事が可能であれば?
『取り返しがつかない』この言葉を屈辱と共に伊坂は噛み締めていた。

そして、その一方で楽観視もしていた。
何せ橘とて自分の世界に帰りたくない筈は無いのだ。
協力を拒む理由は無いではないか?


だというのに。

「断る…貴様と組むつもりは無い」

この男は状況が理解できていないのか?!

「ほほぅ…大した自信だな、協力者も必要とせず帰れるつもりなのか貴様は?」

「そんな事は関係ない、貴様と協力などするつもりはない、それだけだ」

話し合うつもりなどないと言わんばかりの態度に苛立が止まらない。

以前、利用した事を、そしてその際一匹殺した事をこの男は未だに、こんな異常事態において尚拘っているのか?

所詮、人間
この男にはわかるまい、種族を背負う責任を、その重圧を。

自分は橘に封印された過去を水に流してまで協力を求めているのだ、だというのに、何故にこうもこの男は…『人間』とは器が狭いのか…!

『人間』という他種族に対する傲岸と不理解。
そして自身への種族への愛が苛立を加えて伊坂を怒鳴らせる。


「いいか!それで貴様の気がすむなら元の世界に還った後で貴様に封印されてやっても構わん…だがな!俺は還らなくてはならん…ならんのだ!」

憤怒の表情、そして激昂と共に橘のシャツを掴み睨む。

「ち、ちょっと…!」

慌てて間に入ろうとしたルイズ、だが、彼女を更にタバサが遮る。

「…イサカ、乱暴はしない約束」

「ち!」

「ぐっ!」

タバサの言葉に舌打ちしながら橘を軽く、本当に軽く若干のうめき声ですむ程度に突き飛ばす。
ベッドに倒れな
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