第60話 幾ら力が欲しいって言ってもあり過ぎて良い訳じゃないよね
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的に彼女の精神が崩壊してしまったら、その先に何が待つのか?
ジュエルシード。かつて銀時達が異世界で出会った恐るべきロストロギア。対象物に憑依し、その魔力量に応じてその姿を変貌させる恐るべき結晶。
その結晶の一つが、なのはの中に未だにあるのだ。そのジュエルシードがもし、起動して、もし暴走したらどうなるか?
あれだけの高エネルギーを持つなのはがもしジュエルシードの暴走を抑えられなかったらどうなるのか?
想像する事など出来なかった。想像などしたくなかった。
そうだ、彼女の崩壊とジュエルシードの暴走は、そのままこの江戸、そして地球の終焉を意味しているのだから。
「気をしっかりもて! それでも俺の娘か?」
咄嗟の事だった。咄嗟に銀時はなのはの頬を叩いた。彼女の父となって初めて、銀時はなのはを叩いたのだ。
「お……とうさん……」
頬を叩かれた痛み。そして父の手の暖かさを肌で感じたなのはが銀時を見る。
銀時の目は強く光っていた。その強い光がなのはの崩壊し掛けていた心をどうにか繋ぎとめてくれていたのだ。
「良いか、お前の光で誰も死んじゃいない! 神楽も、じじいも、脳内お花畑やその使い魔だって誰も死んじゃいねぇ! だから自分を責めるな」
「でも、でも、それじゃ皆は? 他の皆はどうしたの?」
「あいつらがそうそうくたばる訳ねぇだろうが。あいつらを殺すんだったらそれこそ江戸を滅ぼさなきゃならねぇ程の奴等だろうが。勿論、俺だってそうだけどな」
自分を指差して銀時は言う。にっと笑みを浮かべて言うその顔が、なのはに安心感を与えてくれた。
「それになぁ、お前はあの光はお前だけが出せると誤解してるみたいだが、あんなのは俺達侍にとっちゃ当たり前のように出せるもんなんだよ」
「え? そうなの!?」
「あったりまえだろうが! 俺位の侍になったらあれだよ。すかしっ屁をするよりも簡単に出せるんだよ」
銀時が余裕たっぷりの表情で言い放った。それを聞いた途端なのはの表情に何時もの表情が戻り始めた。
「それじゃ、私があの光を出せたのは?」
「お前が俺の娘だからに決まってるだろう。カエルの子はカエルって言葉もある位だ。侍の子は侍ってな。だから安心しろ。その内お前もあの光をすかしっ屁する位の感覚で操れるようになるからよ」
「うん。分かったよ、お父さん!」
嬉しそうになのはは頷く。そして自分の両足で立ち上がり先へと進んでいく。その姿を見て銀時はほっと胸を撫で下ろした。
「銀時様」
「あん?」
そんな銀時にたまが声を掛けてきた。
「銀時様。何故あの様な嘘を?」
「あぁでも言っとかないとあいつの自我は崩壊してただろう。それに、今はあいつに魔力がある事を自覚させる訳にゃいかねぇ。そうなった
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