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駄目親父としっかり娘の珍道中
第60話 幾ら力が欲しいって言ってもあり過ぎて良い訳じゃないよね
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 クロノが語る。彼ですらあれだけの魔砲を見た事がないと言う。土方は再度例の光を凝視した。光は一向に納まる傾向を見せず、ただただ天を貫く光の柱となっている。
 その光に向い殺人メイド達は真っ直ぐに突き進む。まるで命令されているかの如くメイド達は光の中へと歩んでいく。そして、その姿を、その体を、その命を光の中へと溶かして行く。
 その光景は正に圧倒的だった。さっきまで優勢であった筈の殺人メイド達が突如現れた光の中へと消えて行くのだ。あの強大な殺人メイド達が跡形もなく消え去って行く。

「あれは、魔力エネルギー……だが、何て膨大なエネルギーなんだ」
「だけどよ、この世界にあたしら以外に魔力を使える奴なんて居るのか?」
「居る筈がない。この世界で魔力が育つ筈がないんだ。では、一体誰が、誰がこれだけの膨大な魔力を持っていると言うんだ?」

 巨大な光の柱を前にして、騎士達もまた驚愕の思いに駆られていた。とても自分達では出せない程の強大なエネルギーだ。それこそ、星に向けて放てば星一つを粉々に出来そうな程の―――

「もし、もしこれだけの強大な力を持つ奴が……我々の敵になったとしたら……我々には勝ち目はない」
「おいシグナム。何弱気になってんだよ?」
「あれを見てそう思わないか? あのエネルギー……私達ヴォルケンリッターが全員合わさった所で、太刀打ち出来るような代物じゃない。一瞬の内に消し炭にされてしまう」
「じゃ、じゃぁ、どうしろってんだよ?」
「そんな事決まっている」

 後ろから声がした。振り返ると、其処にはシャマルとザフィーラの姿があった。二人もまた、あの膨大な魔力エネルギーを目の当たりにしているのだ。

「見る限り、これを放っている術者はまだあの魔力を自在にコントロール出来ていない様子だ。だったら、それを物にする前にその魔力を持つ術者を倒す」
「そして、その魔力を闇の書に移すのよ。そうすれば私達の目的は完遂される。あれだけのエネルギーなら闇の書を満たす事も可能だわ」
「でもさぁ、もしその持ち主が私等の知り合いだったらどうするんだよ?」

 ヴィータが不安げな表情を浮かべた。だが、そんな彼女にもたらされた答えはあまりにも非情な答えだった。

「例えその持ち主が我等の顔見知りであったとしても関係ない。そいつが我等に牙を剥く前に滅ぼす。それだけだ」
「ヴィータちゃん。私達が本来守るのはこの江戸でもなければ江戸の市民でもない。私達の主【八神はやて】只一人なのよ」
「その通りだ。我々は主を守る為ならば何人であろうとも切り伏せる。昔と同じであろうが」

 三人の騎士達の言葉が胸に突き刺さる。そうだ、昔と同じだ。
 主を守る為にこの世界を犠牲にする。それはかつても今も、そしてこれからもそうだ。
 当たり前の事な
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