第60話 幾ら力が欲しいって言ってもあり過ぎて良い訳じゃないよね
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その様はまるで某赤い巨人が使っていた兵器と酷似、って言うかその物っぽかったのだ。
「おい、何だあの無骨な大砲は? 何か俺の本能があれを撃っちゃいけないって囁いてるんだけど。あれ撃つと俺達全員星になっちまうんじゃね?」
「あぁ、ありゃ駄目だ。あの嬢ちゃんじゃ撃てねぇ代物だよ」
見上げた源外が言い切る。一体あれは何と言う武器なのだろうか?
「おいじじい。あれは一体何だ?」
「あぁ、ついさっき金髪の嬢ちゃんの持ってたデバイスと強化型メイドの内部構造を調べて得たデータを元に俺作で作ったからくりデバイスみたいなもんだ。要するにあれは使用者の体内にある魔力を増幅させてぶっ放す大砲よぉ。その名もズバリ【射出音銃】だ!」
「おいぃぃぃぃ! 何その物騒な名前! 確実にアレじゃねぇか! もうあれ以外思いつかねぇよ! っつぅか何とんでもないもんついで感覚で作ってんだよこのクソジジイ!」
簡単な説明だが銀時には分かった。あの兵器は使用者の魔力を増幅して一種のエネルギー砲に変換して射出する兵器なのだろう。もしそうならばとんでもない話だ。他の魔導師が撃つならたいした威力にならないだろう。だが、今それを撃とうとしているのはなのはだ。彼女の魔力は許容量が全く分からないのだ。先のメイド達を倒したあの両手から放たれた閃光と良い、もしなのはがそんな物騒な物を放てばどれ程の被害が出るか全く予想出来ないのだ。
「とりあえずこれ使ってみるよ。もしかしたらなんとかできるかも知れないし」
「止めろ! それを撃つな! 俺達皆吹っ飛んじまう―――」
制止を呼びかけた銀時だったが、時既に遅しだった。発射ボタンに指を掛けていたなのはの指が無情にも発射ボタンを押したのだ。その瞬間だった。巨大な砲台から発射されたのは一面を真っ白に染め上げる程の閃光と凄まじい衝撃。そして轟音だった。
何も見えない。何も聞こえない。何も感じられない。ただ、余りの衝撃に意識が刈り取られる事だけが理解出来た。
万能戦車の後方から光弾を放っていたメイドV達は、突如として放たれた閃光を見た。それが何なのか理解する頃には既に彼女達はその閃光に飲み込まれていた。全身が強大なエネルギーに包まれていき、その体が崩壊していく。断末魔の叫びなどあげる暇すらなかった。
一瞬、そう。まさに一瞬だった。その一瞬の内に五体のカスタムメイド達は残骸すら残さずこの世から消え去ってしまったのだ。
***
地上での激闘は熾烈を極めていた。真選組、守護騎士、更には管理局の局員達の連合部隊に対し、強化改造を施された殺人メイド達との激闘が行われていたのだ。初めは連合部隊が優勢をとっていたが、やがて質量に勝る殺人メイド達が徐々に優勢に立ち始めていたのだ。
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