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駄目親父としっかり娘の珍道中
第60話 幾ら力が欲しいって言ってもあり過ぎて良い訳じゃないよね
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ない。特に3は必ずあり得ないと断言出来るわ!」

 またしてもこんな時に互いに睨み合う両者。もしかしてこの二人、本当は仲良かったりしないだろうか?

「だぁもう! こんな時でも喧嘩しないでよ! 只でさえ絶体絶命的状況なのにさぁ! こんな事してる間にも敵が来たら大変な事に―――」

 状況説明しながらも視線を動かしてみる。が、其処で展開されていたのはメイドVが万能戦車の甲板の上で呑気に座りながら銀時とフェイトの醜い喧嘩をただじっと凝視している光景だった。

「え? 何してるの、あんた達」
「いやぁ、人間って何て同族同士で争うのか凄い興味があって」
「でも、何か思ってたのと違って凄い醜い光景だね。私達カラクリじゃ絶対にやらない事だよ」
「だから人間は愚かなんだね。伍丸弐號様の言う通りね」

 と、勝手に解釈し納得してしまう五人のカスタムカラクリメイド達。

「あぁ、もう嫌だこの世界。早くもとの世界に帰りたい」

 一人泣き崩れるアルフ。どうやらこの世界は相当生き辛い場所のようだ。

「まぁ、元気だしなよ犬っころ。生きてればその内良い事あるって」
「そうそう、まぁ私達が相手である以上来世になるだろうけどそんなに落ち込んじゃ駄目だって」

 何故かからくり家政婦達に慰められる使い魔。とても奇妙な光景であった。

「うぅっ……敵に慰められるなんて……喜んで良いのか悲しんで良いのかさっぱり分からないんだけど」
「笑えば良いんじゃネ?」

 呑気な事を言いつつすっかりやる気をそがれてしまった神楽が他人事の様に呟いていた。

「さぁて、遊びも此処までにしましょうか! 今度こそ貴方達を葬ってみせましょう!」

 再度メイドVは上空へと舞い上がる。またしても接近戦で来るかと思われたが、何とメイド達の持っていたモップの先端が輝きだした。
 その突如の事だった。輝いたモップから無数の光の筋が弧を描きこちらに襲い掛かってきたのだ。

「あいつら、あんなえげつない攻撃まで出来るってのかぃ!」

 愚痴りながらも即座に対応する。戦車の後方一面に防御用の結界を張り巡らせて被害を抑えようと試みる。だが、この世界の抑圧のせいか結界にも強度がない。数発の光弾を受けた辺りで決壊に亀裂が走り始めてきたのだ。
 結界が破れれば後はあの光弾の餌食となるだけである。どうすれば良いか。

「ねぇねぇ、これ使えないかなぁ?」

 そんな時だった。サブシートで使える武器を探していたなのはが取り出したのはこれまた一段と無骨な武器であった。その外見はとても銃器とは言い難い。まるで大砲だ。何しろその武器の全長が本来の重火器の約3倍近くは大きい。それに持ち手が左右にそれぞれ儲けられており其処を垂直に持って撃つと言う形状になっていた。
 
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