第60話 幾ら力が欲しいって言ってもあり過ぎて良い訳じゃないよね
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長く薄暗い地下水路を源外が操る万能戦車は走る。
地上とは違い薄暗く狭い地下水路内には殺人メイド達の姿は全く見られなかった。
もし、無策のまま地上を進んでいたなら、殺人メイド達の荒波に飲み込まれてしまっていただろう。
「へっ、どうやら腐ってもメイドのようだな。こんな薄暗くて小汚い所にゃ居ないようだな」
「にしても偉く臭いなぁ此処は、服に臭いが染み付いたらどうすんだよ?」
後部甲板にて銀時は自分の着ている服に水路の鼻につく刺激臭が移る事を気にしていた。
仕切りに鼻に服の一部を押し付けて何度も鼻をひくつかせている。
「銀ちゃん大人げないアル。男だったらもっとどっしりと構えているもんアルよ!」
「神楽の言う通りよ。そんなだから近頃の男子は皆草食系って馬鹿にされてるんじゃないの?」
横目で見ていた神楽とフェイトが罵倒してきた。彼女達から見れば銀時のその仕草はどうもあまり好ましくないようだ。
地上での戦闘の後、ただただ何事もなくこの地下水路を走っている間、一同は疲れを残さないようにこうして甲板に座り体力を温存していたのであった。
「うっせぇなぁ。ジャンプ主人公が臭ったら格好がつかねぇだろうが! 良い男ってなぁ必然的に良い臭いがするんだよ。こう、溢れ出るフェロモンの臭いって奴がさぁ」
「それって、加齢臭とか?」
「一辺マジでしばき倒すぞクソガキ」
またしても銀時とフェイトは互いに睨み合いを始めてしまった。回りに居た仲間達は最早つきあいきれないとばかりにそんな二人から目を逸らす事にした。
既に見慣れた光景であったからだ。そして、それを止める事が無駄な労力になると言うことも既に承知しているからとも言える。
「やれやれ、家のご主人様は本当に銀時と仲が悪いねぇ」
「本当アル。私とアルフはもう結構仲良くなってるのに向こうは全然駄目みたいアルな」
「嬉しい事言ってくれるねぇ、こんなあたしとも仲良くなってくれるなんてさ」
嬉しかったのか、それとも照れくさかったのか。指で鼻を擦りながらアルフは言った。
「やれやれ、これから生死を賭けた戦いに赴く奴等とは思えん光景じゃのぉ。お前等相当肝っ玉が強いようだな」
万能戦車を運転しながら源外は声高らかに笑った。彼の言葉を聞き、一同はようやく思い出した。そうだ、この先に待っているのはあの殺人メイド達の産みの親でもありこの事件の元凶でもある奴が待っているのだ。
そいつを倒し、この事件を終わらせる事こそが、今の銀時達の目的でもあったのだ。
「そろそろ水路を出るな。まぁ出たとしてもこの先は道の悪い配管だらけの場所だ。恐らく奴等も其処に手回しはしてないだろうよ」
「だと良いんだけどねぇ、さてと―――」
そっと腰を上げ、アルフは未だに醜
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