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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百二十三話 要塞建設
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ちは言い訳が出来ない、一方的に責められて終わるでしょう。そんな事になる前に何らかの取引に使った方が得策だと言っています」
彼方此方から唸り声が起きた。

「私は既にヴァレンシュタイン諮問委員長からこの話を聞いていたのだがもっともだと思う。株を保有し続けるのは後々面倒なことになるかもしれん。フェザーンだけではない、帝国も不快に思うだろう。それならば株を使ってフェザーンを独立させ緩衝地帯として利用した方が得策だと思うんだが」
トリューニヒトが問い掛けると皆が頷いた。

「惜しいような気もするが」
「しかし後々面倒になるのは目に見えているからな」
「確かに」
「交渉のカードに使った方が良かろう。その方が後腐れが無い」
様々な声が上がった。トリューニヒトが交渉のカードに使ってよいかと念を押すと皆が頷いた。

「だとすると帝国の株は如何するのかな? こちらも返すのか?」
小首を傾げながらマクワイヤーが疑問を呈した。皆の視線がトリューニヒトと俺に集中した。なんか不本意だなあ、なんでだろう?
「その事だが諮問委員長から提案がある、聞いて欲しい」
トリューニヒトの言葉に俺だけに視線が集中した。こいつ、やり方が上手いよな……。



宇宙歴 796年 5月 15日  ハイネセン  最高評議会ビル  ミハマ・サアヤ



「ようやく終わりましたね」
「そうね、外交委員会は総合外交政策局、銀河帝国局、フェザーン局、経済局、国際協力局、国際法整備局、国際情報分析局、それと対外交流審議会。結構大きいわね」
私とアブローズ委員の会話に諮問委員会の皆が頷きました。確かに大きいです、発足すれば一大官庁の誕生でしょう。

「通商委員会はそれほどでもありませんね。通商政策局、貿易経済協力局、通商情報分析局、商取引監督局、通商機構整備局、それに輸出入取引審議会」
「管轄が通商だけだからね、範囲が狭いよ。但し影響力は結構大きそうだ。企業は通商委員会の顔色を窺いそうだな」
パール委員とリード委員の言葉にまた皆が頷きました。

「後は捕虜交換、首脳会談が終わってからか」
「出立は五日後でしたね」
「首脳会談、上手く行きますかね」
「行くだろう、向こうは皇帝陛下が自ら調印に臨むんだ。本気だよ」
「同盟市民もかなり期待していますよ。やっぱり皇帝っていうのは凄いんだな、実感しましたよ」
一仕事終わった所為で気が楽になったのでしょう。とりとめのない会話に会議室に笑い声が満ちました。“同盟市民らしくない言葉だぞ”という皮肉に笑い声が更に大きくなりました。

「ヴァレンシュタイン委員長も同行するそうですけど大丈夫ですかね」
「大丈夫でしょう、滅多な事はしないわよ」
「しかし今じゃ自由惑星同盟きっての実力者ですからね、万一の事が有ったら
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