第38局
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桐が院生の佐々木に負け4敗。その他の上位陣は白星。
第12戦、真柴が飯島に負け5敗、片桐が足立に負け5敗。その他の上位陣は白星。
第13戦、足立が院生の磯辺に負け5敗。その他の上位陣は白星。
そして第14戦。ちょうど折り返し地点となるこの日、飯島が奈瀬に負け4敗、片桐が日野に負け6敗。その他の上位陣は白星。
ここまでの上位陣の結果をまとめると、次のようになった。
8勝6敗が片桐。
9勝5敗が真柴と足立。
10勝4敗が小宮と飯島。
11勝3敗が辻岡。
12勝2敗が本田と和谷。
13勝1敗が伊角。
そして、14戦全勝で塔矢と奈瀬が折り返した。
プロ棋士採用試験は、後半戦の第15戦を迎えた。
この日の注目の対局は、5敗同士の真柴対足立。1敗の伊角対3敗の辻岡。
そして、なによりも最大の注目を集めたのは、塔矢アキラ対奈瀬明日美の全勝対決だった。
奈瀬は、向かいに座る塔矢アキラを見つめながら、自分の気持ちを落ち着かせていた。
−いよいよ塔矢君との直接対決。私が勉強会では1度も勝てていない相手…。でも、まったく手が届かないわけじゃない。きっとチャンスはあるはず。…今日は、落ち着いて打つためにもゆっくりと打とう。自分の気持ちを落ち着かせながら、じっくりと。
アキラはじっと目をつぶり、対局開始の時間を待っていた。
辻岡もまた、伊角を前に自分の緊張感が高まっていくのを感じていた。
−今日の相手はここまで1敗の伊角君。彼は院生1位との話だ。間違いなく強いのだろう。でも自分はここまで全勝の塔矢君と奈瀬君にすでに負けている。伊角君にまで負けると、いよいよ後がなくなる…。まぁ、それは今考えても仕方がないことか…。まずは今日の碁に集中しよう。
昼の打ち掛け(昼食休み)が終わり、対局が再開した。
真柴対足立の対局は、真柴が優勢で終盤に差し掛かりつつあった。
−足立には普段でも勝ち越しているからな。このままいけば大丈夫だ。まだ持ち時間も十分にある。しっかり読んでヨセを打ち切ればいいんだ。…今日は溝口師匠との研究会だ。このまま勝って、師匠に報告したいな。
伊角対辻岡の対局は、終盤に差し掛かっているものの、まだ形勢は五分だった。
−やはり、この伊角君は強い…。さすがに院生1位なだけはある。形勢は五分…、いや、少し足りないか?ここからの大寄せは大事だ。手順間違いが勝敗に直結する…。さあ、落ち着こう。自分は院生の1位相手に五分の勝負ができている…。まだ、勝負はここからだ。
そして、塔矢対奈瀬。ゆっくりと打つ奈瀬に合わせるかのように、今日はアキラも比較的ゆっくり打
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