暁 〜小説投稿サイト〜
少年と女神の物語
第七十九話
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
河童の神の周りには水が集まっていく。
 玉龍もそんな感じだったし、最近水の神に縁深いなぁ・・・そう思いながら、飛んで来る河童どもを槍で牽制していく。
 河童は秋になるとひょうすべになり、飛んで山に向かうという。それで飛べるんだろうなぁ・・・

「っと、高圧水流か」
「ヒョウ。貴様ごと貫くつもりだったんだがな」

 槍が折られて出来た隙に河童が突っ込んできたので、足で蹴り飛ばして雷で頭の皿を焼く。
 さすが河童、それだけで綺麗に消えていくな。

「さて・・・これは、いけるかな」

 俺はそう考えながら、あたらしい言霊を唱える。

「我は揺らす。我は全てを揺らす」

 言霊を唱えてる間に河童は攻撃をしてくるが、気にせず唱える。
 他の権能で防ごうとしても、多分それを貫いてくるから・・・他の方法で防ぐしかない。

「地よ揺れろ。海よ揺れろ。天よ揺れろ。我が眼前に在りし全てよ、我がために揺れつくせ!」

 唱えきってから目の前の空間に揺れるよう念じ、水にぶつけて一気に撒き散らす。
 揺れでバラけた水が周りの河童を貫いていき、神獣がほとんど消えた。
 うん、すっきりしたな。

「ヒョウ。・・・またよく分からぬ権能を持っているな」
「そうか?分かりやすくていいと思うけど、な!」

 そう言いながら槍を持って突っ込むと、河童は馬を走らせてすれ違ってくる。
 馬の俊敏さ、さすがに厄介だなぁ・・・

「我がためにここに来たれ、羽持つ馬よ。我がために我が雷を運べ。我がために天を駆けよ。その為にここに現れよ!」

 なら、同じ馬に乗るとしようか。

「我が元に来たれ、ペガサス!」

 天から駆けてきたペガサスに乗り、ついでに退路も絶たせてもらうか。

「我は緑の守護者。緑の監視者である。我が意に従い、その命に変化をもたらせ!」

 周りに有った植物という植物を操り、抜け道をなくす。
 さて、後はどう来るのかな?

「退路を断ち、馬に乗るか神殺し」
「ああ。これで、この場で殺しあうだけだ。・・・そういえば、まだ名前を名乗ってなかったな」
「ヒョウ。確かに。では、最後にお互いに名乗るとしようか」

 さすが神様。
 ちゃんとこっちの趣向に合わせてくれる。

「神代武双。神殺し歴二年、神代家長男」
「無三殿大神。無三殿川にすむ河童だ」

 そして、お互いに獲物を構え・・・ぶつかり合った。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ