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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第361話】
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 ら、ラウラだけだと思ってたらさ、あ、アンタ……し、シャルロットともしてたじゃないッ! た、只でさえ皆より後にアンタが気になったのにこれじゃあ出遅れてるじゃない! せ、せめて他の……セシリアや未来の二人よりは先に……」


 そう口にする鈴音――言えば荒れるから言わないが、既にセシリアと未来ともキスをしてる事実――更に言えば、美冬とも――妹ともキスをしたし、コアの雅ともしてる。

 ……とはいえ、しないとどうなるかわからないし、俺自身鈴音の事は嫌いじゃない。

 想いに応えられるかはわからないが――。


「わ、わかったよ。 ……んしょ」


 立ち上がると、俺は真っ直ぐと鈴音へと向かう。

 ピクッと反応し、身体を硬直させたまま俺を見上げる鈴音――軽く頬を撫でる様に右手で触れて俺は口を開く。


「……緊張してるな?」

「あ、当たり前でしょ! バカ! き、緊張するに決まってるじゃない……」


 口調はいつもの鈴音だが、頬に触れた右手を重ねる様に自分の手を重ねる。

 瞳は僅かに潤み、更に紅潮していく頬――口から出る吐息が軽く右腕を撫でる様に吹き抜けていく。


「……目、閉じろよ……」

「ぅ……な、何カッコつけてんのよ……。 ……こ、これでいぃ……?」


 瞼を閉じた鈴音を見て、左手で鈴音の上顎をくいっと上げる。

 一つ一つの動作にびっくりしてるのか、小さく身震いする鈴音が何だかいつもより可愛く見える。


「……一応最終確認だけど、本当に俺で良いのか? ……今ならまだ間に合うぞ?」


 ファーストキスは一生の物だ、俺はラウラに奪われたが今は特に気にしてない。

 ……だが、女の子にとっては男とは違ってファーストキスに重みもある。

 ――と、鈴音は左目だけを開くと。


「か、構わないわよ。 ……あ、アタシは……アンタが……いぃ……」


 言ってから開いた左目の瞼を閉じる鈴音。

 その言葉に俺も覚悟を決める――だが、こうやって俺が誰かとキスをすればそれだけ他の子を傷付ける結果になるんだよな。

 ――最近はキスのし過ぎで、前以上に躊躇しなくなった辺り、正直慣れというのが怖く感じる。

 左手を鈴音の腰へと回し、抱き寄せるとまたもびくっと身震いした鈴音だが嫌がる素振りは見せず、身をそのまま預けてくる。

 頬に触れたまま、そのまま俺は鈴音の唇へ自分の唇を重ね、キスをした――その瞬間、鈴音の身体から力が抜けるのを感じる。

 まだ少し緊張しているのか、重ねた唇から震えが俺にも伝わる――だが、それも僅かな事で直ぐに震えが止まると、俺はさっきのシャルみたいに啄む様に短く何度も口付けを交わす。


「ん……むっ……ふ……ぅ
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