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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第361話】
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出ていくシャル――室内には俺と鈴音の二人だけが残り、俺と鈴音の間には変な空気が流れた。

 ――とはいえ、黙ってるのも変なので口を開く。


「「あ、あのさ」」


 同じタイミングで口を開き、ハモると互いに驚いた表情を浮かべてから数秒後、二人して可笑しく、室内に笑い声が響き渡った。


「お、同じタイミングとかどれだけ波長が合ってんだよ、俺と鈴音」

「ふふっ。 ……えとさ、アタシは後で良いから先にアンタから話してくれる?」

「ん? あぁ、えっと……さっきの好きって……本当か?」


 告白の真意を聞こうと思い、そう口にすると少し俯きながら小さく頷く鈴音。


「ぅ、ぅん……。 さ、最初はアタシも……アンタの事、特別意識してた訳じゃないわよ? 一夏の友達――ほら、学園祭に一夏と一緒に居たアイツ、覚えてる?」

「ん? ……あぁ、赤い長髪の確か五反田弾っていったかな?」


 鈴音の言葉に、思い出しながら答える――軽く挨拶を交わした程度だからどんな人間かはよくわからないが、あの一夏と友達な辺りお人好しなのではないかと勝手な想像をする。


「うん。 その弾って奴とおんなじ感覚――んと、気軽に話せる男友達みたいな感じだと思ってたの、アンタの事……でもさ」


 少し言葉を濁し、視線を逸らす鈴音、言葉を言いにくいのか唇を真一文字に結んでいたが――。


「で、でもさ……き、気付いたら……アンタの事も気になっちゃって……。 い、一夏の事も好きなのに……何でアンタの事も気になるのかなって……結構悩んだんだからね? あ、あんまり悩んでる様に見えなかったかもしれないけど……さ」


 確かに普段の鈴音を見ていると、あまり悩みがなさそうに思えるほど元気一杯中華娘って印象しか受けないからな……。

 でも、時折寂しそうに一夏を見ていたのは俺は気付いてた……当の本人は全く気付いてすらないという朴念人――ではなく、THE・バカ☆にしか見えなかったが。


「そ、それで……いつの間にか、アタシの中で一夏よりもアンタへの想いが心を支配していったの……。 せ、責任とんなさいよ……バカヒルト……」


 言って恥ずかしいのか、ジト目気味に睨みつつ顔を赤く染めた鈴音。


「……責任って……付き合えって事か?」

「そ、そうしたい所だけど……し、正直……今アンタの答えを訊いてもフラれるのは目に見えてるわよ。 ……さ、さっきのシャルロットみたいに……あ、アタシにもキスしなさいよッ!!」


 息も荒く吐くように言葉を言った鈴音――彼女の特徴であるツインテールも、肩で息をするかのように上下に動く度に小さく揺れた。


「き、キス!? な、何でそうなる――」

「だ、だって!
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