私のご主人様
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話……すぐになくなったわ」
「何?」
「篠崎は……大蔵の盾。身分が違いすぎるからな」
「凛音、やめなさい」
「でも事実だろ」
「…………そうね。でも」
「つまりお前は隼人のことを振ったのか?」
「有体に言えば……そうなるのかしら?」
そうか、と冥星は隼人を見た。そんなこと、一言も口にしなかった。まぁ言う必要などないのだが。小学生で失恋を経験するなんて……隼人、哀れな奴。
「俺は、認めてない……いつか、姫にふさわしい男になる」
「…………そう。くれぐれも、この男みたいにはならないでね」
「……俺に指を向けるな」
「あら、私を見捨てたくせに今更どんな弁解が出てくるのか、楽しみだわ」
冥星は軽く舌打ちをしたくなった。別に気にすることではないがこの女の言っていることにはいくつか語弊がある。正しくは見捨てたのではなく『眼中』になかった、が正しい。
隼人は姫と冥星が親しく話していることに軽く違和感を覚えた。まるで昔なじみのように会話を交わしている。あの姫が能面を崩し、積極的に笑みを見せているのだから。それほどまでに心を許しているということなのだろうか。
なんだ、これは? 胸を締め付けられるような痛みに隼人は戸惑いを隠せない。
「はっ……思い出した。おい、スカートを捲らせろ」
「……頭が、おかしくなってしまったの?」
次の瞬間、冥星は後方に控えていた暗殺者の無慈悲な一撃を簡単に食らい、後方に吹き飛んでしまった。自分が反応できなかったこと、的確な急所を狙った死の一撃。相当な腕前だ。
あの、手合せをした時からわかっていたことだが、大蔵姫には最強の戦士がついているということか。
「てめぇ、冥星……勘違いしているのかしらねぇが……お前の目の前にいる方はこの土地の現人神だ。お前がどれだけ凄い奴だったとしても姫を傷つけるならただじゃおかねぇ」
「な、なら……お前のスカートを捲らせろ」
「なっ……! なんで私!? ふっざけんなこの、この!!」
「ぐぁぁぁ! この俺の頭を踏みつけるな愚民!!」
絞め技からの追撃。流れる水のように一つ一つの動作に狂いがない。やりたい放題にやられている冥星を他の者たちは哀れな目で見ている。
認めよう……六道凛音は、この冥星の天敵であると。
「め……めーせいさまぁ…………ひー……ひー……」
「遅い、エリザ。さっさと俺を助けろ」
「そそんなぁ……このランドセル何キロあるんですかぁ……くたくたですぅ……」
「そのランドセルには俺の教科書を全て投入した。今日からお前は俺の勉強机」
「ひ、ひどいです――――! ぐす…………」
それはそれは美しいプラチナブロンドの長髪をなびかせて、エリザ・サーベラスは老人のような足取りでやってきた。前には可愛らしいピカ
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