第一章 精霊
第5話 敵と味方
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だろうか。
上条の予想は的中した。
どうやら士道の言葉によって精霊を怒らしたらしく、今日3度目の斬撃がきた。
さっきと同じく、上条が″右手″で打ち消す。
精霊「これが最後だ。答える気がないのなら敵と判断する」
上条「(怒らせちゃったよ…)」
上条はため息をしつつ言う。
上条「俺は上条当麻、ここの生徒だ」
士道「お、俺は五河士道!俺もここの生徒だ!敵対する意思はない!」
その精霊は今度は驚きよりも疑問が湧いてきた。なんでこの2人は殺されそうなのに敵対しないのか。
考えていたが、その思考もすぐに消される。
上条「あのさ、俺たちはお前と戦いにきたわけじゃないんだよ」
精霊「え?」
士道「……お前と話にきたんだ」
精霊「……そんなのは、嘘に決まってる……私を殺しにきたのだろう?」
上条「違う!」
精霊「嘘だ!ここの人間は私を否定した!」
上条「確かに……AST達はお前を否定したかもしれない……」
士道「でも俺たちはお前を否定しない!」
精霊「!」
精霊は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
少しして冷静になると、
精霊「ふん!誰がそんな言葉に騙されるか!バーカバーカ!」
そして精霊は士道と上条から顔を背けて
精霊「でもまぁあれだ。この世界の情報を得るために利用してやる。情報、超大事」
上条「(デレたな……)」
上条はそう思った。まぁ、この精霊はかなり分かりやすいのだが。
これに気づかない士道は中々の鈍感だ。とは言っても上条も中々の鈍感だが。
上条「はぁ……」
精霊「そ、そのため息はなんのだ!?」
上条はなんとなくだが面倒な人だと思った。でもこれを口にしたら……確実に殺しにくるので言わなかった。
上条「いや……それより、お前の名前はなんだ?」
精霊「私には…名前はない」
士道「名前がないのか?」
精霊「ここにきた時には、人間が私を殺しにきたからな」
上条「そうか……」
3人に気まずい空気が流れる。
すると精霊が、
精霊「そうだ!当麻と士道は私をなんと呼びたい?」
上条「ん?そうだな…」
上条は士道をみると通信機に耳を当ててる。誰かからアドバイスをもらっているのだろうか。
上条はその時ふっとある事を思い出して、それが口に出た。
上条「……家康」
以前、ミサカ10031号が猫に名前を付けようと思って、その候補の1つをふっと思い出した。
精霊「……それは男の名前ではないのか?」
上条「……すまん」
精霊が頬を膨らました。すると士道が、
士道「……トメ?」
精霊「なんか嫌だ」
上条「今時
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