憎悪との対峙
25 冷血の構築者
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は斜線で消されたからではない。
彩斗から先程までの暖かさというものが消え失せたような気がした。
機械と化してしまったような冷たさを感じた。
だが、そんなことをしている間にも彩斗は約7枚のルーズリーフに自分の思考の全て出し尽くし、文字通り作戦を”構築”し終えていた。
「...再確認する。この作戦の目的はジョーカープログラムの確保、メリーと人質の中学生たちの救出、並びに可能な限り多くのValkyrieの戦力、メンバーたちを無力化する」
「異議無しよ」
「恐らくWAXAもValkyrieがデンサンシティで活動していることは感づいているはず。今回の事件を解決させ、多くのメンバーを逮捕させれば、デンサンシティで起こそうとする事件にも関与してくるはずだ。今回、Valkyrieの一部にしてもこれだけの事件を起こしたともなれば、幹部の安食を含めた他のメンバーを取り調べる必要も出てくるからね。WAXAにValkyrieを討伐してもらうきっかけにもなるかもしれない」
「そうしてもらえるとありがたいんだけど....まぁWAXAが思い通りに動いてくれれば...ね」
「100%僕の思惑通りに動くとは思ってないよ。ところで必要なものがあるんだけど....」
彩斗はルーズリーフをハートレスに手渡した。
ハートレスはそれにさっと目を通す。
彩斗自身には大した兵器の知識は無いため、「このような用途のもの」というざっくりとした説明書きがあった。
ハートレスは若干吹き出しそうになりながらも少し考え、口を開いた。
「これなら全部、用意できる」
「よし。あと君にも動いてもらうからね」
「私に?」
「アイリスちゃんにも」
「え?」
アイリスはまさか自分に話が振られるとは思っていなかった。
自分はあくまでオペレーション用のネットナビであって、戦闘用のネットナビでではないのだ。
とてもではないが、彩斗の考える作戦において戦力にはなれそうにもない。
それは彩斗も分かっているはずだった。
「メリーには恐らくダークチップを使用されている可能性がある。メリーは現存している唯一の人間とネットナビのハイブリッドだ。その場合...ナビとしてだけでなく、人間としてどんな影響が残るか分からない。君は僕をナイトメア・テイピアの悪夢に近いValkyrie製ダークチップの影響から救ってくれた。その治癒能力を使ってワクチンデータを作り、外に持ち出せるようにしてストレージにコピーして欲しい。僕がメリーを救い出してここまで連れてくる間に手遅れになる可能性もゼロじゃない」
「分かった...」
「ハートレスはそのデータが移植でき次第、ストレージを持って出てもらう。そうだな...ここと目的地の中間点で落ち合おう」
「...いいわ、じゃあ私も再確認するわ。あなたとアイリ
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