暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
25 冷血の構築者
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ない。
だが彩斗は必死に笑顔を作って微笑んでみせた。
アイリスはそんな彩斗を見て心が痛んだ。

「...言っておくけど、あまり寄り道はしないでね?あくまで目的はジョーカープログラムの保護、メリーを含めた人質たちの救出なんだから」
「分かってるさ」

そのハートレスとアイリスは彩斗が裏で考えていることを察していた。
もし高垣美緒、ミヤの母親と出くわしたら、間違いなく鉄槌を下す算段だと。
だがハートレスも遠回しに言ったつもりが、止めるつもりは更々なかった。
同じ”母親”としてこれまでの高垣美緒の行動を許せなかったのだった。
彩斗はハートレスが用意した情報を黙って閲覧し始めた。

「悪いんだけど、ちょっとチョコミルクか糖分のある飲み物とかあるかな?あと簡単な食事...パンかシリアルを」
「あっ、ちょっと待ってね」
「糖尿になるわよ?」
「その分、(ココ)を使ってるんだから問題ないさ」

しかしすぐにアイリスに飲み物と軽食を頼んだ。
よくよく考えれば、点滴も無しに2日以上も飲まず食わずでようやく先程、ミネラルウォーターとコーヒーを飲んだ程度なのだ。
今まで我慢した方が驚きだった。
ハートレスからすれば先程から何度か食事を勧めようとは思ったが、アイリスは人間ではないために考えが至らなかった。
ハッっと気づき、アイリスは急いでキッチンに走る。
彩斗はその間に深呼吸して美緒への怒りで歪んだ顔と握りしめた拳を戻す。

「...ジョーカープログラム、人質共に学校の外へ救い出すことは出来るかもしれない」

彩斗はデータを見ながら、そう呟いた。
軽い言い回しだったが、ハートレスにとっては待ち焦がれていた言葉でもあった。
彩斗は更に深いところまで考えながら、指で唇を触る。

「通信妨害装置は敢えて壊さずに残しておく。敵もWAXAも通信出来ないなら好都合だ」
「でも私たちも通信出来ない」
「君と話すことなんか無いよ」
「...でも出来るかもしれないっていうことは、学校の外に救い出せても」
「メリーを連れてここまで逃げ切ることは出来ない。ウェーブロードが塞がれていては走って逃げるしか無いんだ」
「じゃあ通信妨害装置は破壊しなければならないんじゃないの?」
「敢えてとは言ったが、ついでに言うなら時間もないんだ。それに僕がウェーブロードを使えるということは敵もウェーブロードを使えるということさ。状況的には通信もウェーブロードも使える状態では不利になる」

彩斗はアイリスが運んできたシュガートーストとチョコミルクを口へ運ぶ。
彩斗にとって唯一の難題はここだった。
脱出した後に人質はWAXAや警察に任せればいい。
しかしメリーだけは別だ。
メリーはディーラーの一員でロキの子の1人だ。
それに肉体的にも人間
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