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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
25 冷血の構築者
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しましょう。才葉芸能学園の半径10キロメートルは妨害電波によって無線、携帯共に使用できないわ。つまり学校を取り囲んでいるWAXAや警察は仲間との意思疎通が出来ない」
「そして僕が電波変換してウェーブロードを通って外からこの10キロ圏内に入ることは出来ないし、内側からはこの境界を超えるまでウェーブロードは使えないってことか」
「でも電波変換することは出来るわ。もちろん周波数を変更できないから、現実空間で銃やナイフを持った連中とやり合うことになるけど」
「分かってる」
「でも電波人間は周波数を変更できずとも常人を遥かに上回る力を発揮できる。その点は心配いらないわ」

彩斗はまるで機械のようにモニターに映るデータを見ていた。
それでこそ全てを暗記しかねない程に。
アイリスはその様子を黙ってみていることしか出来なかった。

「連中とやり合うのは問題ないけど、僕が現れたと知れれば....」
「人質に危害が及ぶ」
「だから少しずつ倒していく。幸い、通信手段を絶ち、電波人間による襲撃を恐れたために多くの周波数を妨害しているから、バレてもすぐにってことはないだろうけど。出来るだけ穏便に済ませたい。そのためにはサイレントで敵を妨害しつつ一瞬で戦闘不能にする武器が要る」
「分かった」
「人質の位置は?」
「地上4階の会議室よ。メリーがいると思われる第一分析実験室は地下1階。そして学校が裏で営んでいるレンタルサーバーの在処は地下4階。かなり離れているわ」
「地下の方から片付けていこう。プログラム、メリー、人質たちの順で助ける」
「人質の生徒たちも?」

ハートレスは疑問を持った。
先日は中学生たちを殺しておきながら、今日は助けようというのだ。
もちろん殺したのには理由はあっただろう。
だが逆に彩斗が助けようとするというのは意外だった。

「これ以上、Valkyrieのために傷つく人間を見たくない。ミヤのようにね...」
「そう。じゃあ、これが人質のリスト。欲張らないことね、全員救うなんて出来るわけないわ」

ハートレスは皮肉りながら人質の詳細データを表示した。
名前、住所、性別など詳しいデータが載っていた。
彩斗は自分の方にMacbook Proを寄せると、トラックパッドに指を滑らせた。

「青木駿介、石塚英美、狩野永作、近松サラ、永作麻音、氷川涼華.....氷川涼華?」
「あなたの部屋にあったCDやら書籍やら、彼女に関するものが幾つかあったわね?」
「スズカちゃん....彼女まで人質だって...?悪い冗談だろ...?」

彩斗が見つけたのは、自分が昔から応援してきたアイドルだった。
初めて偶然、ひっそりとやっていたラジオを聞いて、それ以来、ずっとファンレターを送り続けていたのだ。
そう、『アキト』というペ
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