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少年と女神の物語
第七十七話
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 俺は、口の中に突っ込まれた指の感覚に驚き・・・指に挟まれていたものを飲み込むことで落ち着く。

「これ・・・」
「治癒の霊薬だ。まあ、今日はこれ以上戦わないだろうし、使っちゃってもいいだろう」

 そう言いながらリズ姉は肩を貸してくれて、そのまま跳躍の術を使う。
 正直、今日はもう呪力を使いたくない気分だ。

「どこに向かう?」
「とりあえず、あっちまで。最後の挨拶くらいは参加したいし」
「了解」

 そして、そのまま護堂たちの元に降り立つ。

「お、武双。そっちはどうだったんだ?」
「しっかり玉龍は倒して、権能を簒奪したよ。・・・普段とは違う理由で死にそうだったけど」

 そう言いながら自分の足で立ち、三人の元まで歩いていく。

「最後の雷、あれは貴方のものですか?」
「ああ。さすがに何もしないのは、って思ってな。必要なかったかもしれないけどやらせてもらったよ」
「いや、神との戦いに対して過剰、ということは無いだろう。例を言う、神代武双」

 そう言いながら差し出された黒手袋の手を、俺は握り返す。
 次の瞬間には黒い魔鳥になって飛んでいったのを見送ってから、蚩尤の権能ででっかい盾を作って、それを芝右衛門狸の権能でバイクに変える。

「それじゃあ、俺たちもこれで帰るな。あいつらが来て面倒ごとに巻き込まれるのもあれだし」
「ああ、分かった。・・・って、そのバイクはどこから?」
「今作ったというか変幻させたというか・・・そんなところだ。それじゃ」

 そして、俺はリズ姉と二人乗りで家まで向かった。
 うん・・・バイクにしたのは間違いだったと、途中で気付いたよ。でも、変えられる雰囲気ではなかった。

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