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自由惑星同盟最高評議会議長ホアン・ルイ
ゴミ箱 本編ではありません
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在だった。
「そうかい、そんなにうれしいかい」
 この二人がいる場所は巡航艦の砲塔の一室だ。ちなみに同盟の巡航艦の主砲は6門で、2門1セットの3ブロックに独立している。
 高年は砲座の照準機を動かし要塞残骸のあるところを写した。そしてそれを見るよう青年に促した。青年はいぶかしみながらも照準機を覗き込んだ。
「帝国の宇宙服?艦の主砲で人を撃つのはオーバーじゃ?」
「……よく見てみるといい」
 青年が良く見ていればその動かない宇宙服の頭の比率が大きいことに気づいたかも知れない。慣性にしたがってその宇宙服の正面が見え、その顔を青年が見たとき、それと同時に彼は部屋の外へと飛び出した。おそらくトイレに行ったのだろう。
「少しきつすぎたかな」
 宇宙戦が主体となったせいで幸か不幸か死体を見る機会は減っている。高年はたまたま白兵戦の経験があったのであの宇宙服は状態がいいほうと思ったがそうではないらしい。とは言え高年も何も思わずにはいられなかった。まさか孫ほど歳の離れた人を殺すことになるとは思わなかった。
「すまないね、まあわしの息子も戦死しているが」
 高年は慣性に従い再び向こうを向いた死体にそうつぶやいた。




   ○初めからホアンが議長
 自由惑星同盟は銀河帝国に負けた。しかし帝国は幾つかの理由により同盟を滅亡させるのは時期尚早として、バーラトの和約という不平等条約を締結するにとどめた。 バーラトの和約の主な条項は、惑星ウルヴァシーを含むガンダルヴァ星系及び回廊周辺の2つの星系の割譲。安全保障税として年間1兆5千億帝国マルクの支払、戦艦及び空母の放棄、高等弁務官の設置などがある。当然のことながら同盟が負う義務について規定されている。
 バーラトの和約により事実上帝国の属国と見られてもおかしくはない同盟は前議長が辞任したため新たな議長を選ばなくてはならなくなった。初め閣僚は前財政委員長であるジョアン・レベロに議長代行を頼んだ。レベロはそのことについて友人であり人的資源委員長であるホアン・ルイに相談した。
「君はどう考えているんだい?私から言わせれば今の同盟は首に縄をかけられてつま先だけはまだ床についていると言ったところだがね」
「私はこの話を受けていいと思っている。いくら危機的状況であるといっても誰かかやらなければこの国は滅びてしまう」
 ホアンがいつものような悠長な声をしているのに対しレベロはあせったような声をしている。
「……その話、私が受けようか?」
「なぜだ?」
「君が追い詰められるのではないかと思っているからだ。気づいてはいないかもしれないが、今の君の顔は普通じゃない。いつもの政策について話し合っている時の君はもっと違う顔をしている。」
 レベロは思わず顔を触った。
「私では能力不足だと思うのか?」

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