第九話 風の力その十二
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桜と怪人の闘いを見守ることにした、そして裕香も。
落ち着いた顔でだ、こう薊に言ったのだった。
「じゃあ私もね」
「ここにいるのかよ、裕香ちゃんも」
「ええ、そうしていいかしら」
「何かあったらすぐに逃げてくれよ」
薊は裕香にこのことは強調した、だがだった。
裕香の気持ちを受け取ってだ、微笑んでこう彼女に言った。
「一緒に見ような」
「うん、それじゃあね」
裕香も微笑んで応えた、そしてだった。
四人は幸い今は誰も周りにいない店の前で怪人と闘う桜を見守った。怪人は急降下と急上昇の一撃離脱攻撃を繰り返していた、その怪人に対して。
桜は攻撃をかわし続けていた、その中で。
右手に持っているレイピアにだった、何かを漂わせた。それはというと。
「!?あれは」
「風ね」
菖蒲が声をあげた薊に答えた。
「それね」
「そうだよな、風か」
「あれが桜さんの力なのね」
「そうか、今度は風か」
「面白いわね」
確かな声で言った菖蒲だった。
「風使いとは」
「そうだよな、風をどう使うかだよな」
「見せてもらうわ」
「そうさせてもらうか」
こう話してだ、そして引き続き桜の戦いを見守るのだった。
桜は右手に持っているレイピアに風を漂わせていた、そのうえで己の前に、菖蒲のそれとはまた違う構えでレイピアを構えて己の上にいる怪人に言うのだった。
「何か使い方が難しいですが」
「まだ力の使い方がわかっていないか」
「コントロールが難しいです」
己が持っている力は、というのだ。
「どうも」
「そうか、未熟だな」
「この前の闘いで気付いたばかりです」
己の力にというのだ。
「ですから」
「慣れていないか」
「はい」
こう素直に答えた桜だった。
「どうにも」
「そうか、では俺に勝てないか」
「ですが勝たないといけませんね」
桜は己の上にいる怪人を見つつ述べた。
「さもないと私の命がありませんね」
「悪いが俺の仕事は貴様等を倒すことなんだよ」
怪人もう返す。
「まあ苦しまない様にするがな」
「そうですね、では」
「ああ、死にたくないならな」
それこそとまた言う怪人だった。
「その力を使いこなすことだな」
「そういうことですね。では」
「さて、また行くからな」
怪人は自分から言ってだ、そして。
怪人はまた急降下をしてきた、その槍を手に。
その怪人にだ、桜はというと。
レイピアをだ、怪人に向けて上から下に振った。すると。
レイピアから風の刃、鎌ィ足が出た。その鎌ィ足でだった。
怪人を襲う、それでだった。
怪人の身体を斬った、それも翼をだ。
鎌ィ足は怪人の右の翼を断ち切った、するとだった。
怪人は急降下の中で身体のバランスを崩した、そ
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