第九話 風の力その九
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「だからなのよ」
「太り方のレベルなのね」
「そう、日本の肥満とは違うのよ」
アメリカの肥満はだ。
「だから出世出来ないとか言われるのよ」
「そもそも健康面でなのね」
「問題があるから」
「出世出来ないのね」
「太り過ぎのレベルが違うのよ」
またこうしたことを話す菊だった。
「日本でも最近物凄く太っている人がいるけれど」
「少しよね」
「そう、あまりいないでしょ」
「そうよね」
「食生活は大事だけれどね」
「日本の食生活だとなの」
「あそこまで太らないから」
こう裕香達に話す。
「安心してね」
「そうなのね」
「まあ日本人ってあまり太りたがらないから」
特に女の子の間でだ、それで交際相手に肥満を嫌う傾向が強い。とはいっても本人がやがて肥満するということもあるがだ。
「裕香ちゃんもよね」
「日本人の基準でね」
太ることはというのだ。
「なりたくないわ」
「そうよね」
「だったら食べてもよね」
「身体動かさないとね」
「じゃあ私もソフトをして」
そうして身体を動かしてというのだ。
「食べる分だけね」
「ええ、身体を動かすといいわ」
「身体を動かすことが第一なのね」
「そう、だからよ」
「そういうことよね」
裕香も菊の言葉に頷いて応えた。
「やっぱり」
「まあ身体を動かしてさ」
薊も笑って言ってきた。
「それからだよな」
「そうですよね。それでは」
桜はにこりと笑ってだ、そのうえで。
店を一緒に出てだ、そうして。
自分のバイク、そのホンダのワルキューレを思わせる重厚なバイクのところに行った、そうしてヘルメットを被りながら言った。
「また学校で」
「ああ、またな」
「明日ね」
薊と裕香がその菊に笑顔で挨拶を返した。
「会おうな」
「また食べましょう」
「はい、お好み焼きの他にも」
にこりと笑ってだ、桜も応える。勿論菖蒲と菊も彼女に別れの挨拶をした。
そうしてお互いに別れようとした、しかし。
ここでだ、急にだった。
上からだった、何かが来た。それは何かというと。
烏、違った。烏の黒い羽根と翼を持っていたが。
人間の身体も持っていた、人間の身体に烏の羽根と頭、翼を持っていたそれが薊達に対して急降下をしてきてだった。
そのうえでだ、薊達に襲い掛かってきた。そしてだった。
薊にその嘴と手に持っている槍で攻めてきた、そうして。
薊はその相手にだ、七節混を出して。
槍を防いだ、嘴も来たが。
それも防いだ、それは首を右に捻って。
そうして防いでからだ、急上昇して上に戻った怪人を見上げつつ言った。
「おいおい、急にかよ」
「今の俺の一撃をかわすなんてな」
「挨拶かよ、今のが」
「そうだよ、悪いか」
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