第九話 風の力その八
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
菊は四人にだ、笑顔でこう提案した。
「じゃあ次は焼きそばにしない?」
「そうね、焼きそばもね」
「欠かせないわよね」
菖蒲と裕香が菊のその提案に応えた。
「サイダーも飲みながら」
「そうしてね」
「モダン焼きもいいけれどね」
これも話に出す菊だった。
「焼きそばもいいでしょ」
「それじゃあ焼きそばも」
「五人全員で」
「うん、それじゃあね」
勿論薊と桜も賛成だった、そうして。
五人で今度は焼きそばを食べた、言うまでもなく五人共焼きそばは大だ。お好み焼きにしても大であった。
五人共焼きそばを食べ終わるともう満腹だった、薊は何もなくなった鉄板の上を満面の笑顔で見ていた。
そうしてその満腹感の中でだ、こうも言うのだった。
「これで夜になったらな」
「うん、もうその頃にはね」
裕香も笑顔で薊に応える。
「お腹が空いてるのよね」
「何か幾ら食っても腹が減るよな」
「そうよね、最近」
「成長期だからかね」
「そうだと思うわ。ただね」
「ただ?」
「これでちょっとでも運動を止めたら」
その時はどうなるかもだ、裕香は言った。
「太るわよね」
「だよな、やっぱり」
「それでも普通の太り方よね」
「普通のって?」
「アメリカ人みたいな太り方はね」
それはないというのだ。
「幾ら何でも」
「あれはちょっとないわよね」
菊は裕香がアメリカ人の肥満について言ったところで応えた。
「流石にね」
「あの太り方は」
「ハンバーガーにコーラにアイスに」
裕香はこうした食べものを挙げた、まずは。
「それにピザ、パンケーキにフライドチキンにフライドポテト」
「日本でも普通に食べてるものだけれど」
それで何故あそこまで太るのかとだ、裕香は首を傾げさせた。だがその彼女にだ、菊はこう話したのだった。
「同じハンバーガーでも違うのよ」
「違うの?」
「そう、大きさと食べる量がね」
「そんなになの」
「そう、違うの」
そうだというのだ。
「もうね」
「だから太るのね」
「しかもそういうものばかり食べるから」
「ハンバーガーとかピザとか」
「向こうの太る人はね」
「だからあそこまで太るのね」
裕香もここで納得した。
「とんでもないカロリーのものをたっぷり、しかもいつも食べるから」
「そうなの。太らない筈がないっていうかね」
「ううん、恐ろしい食生活ね」
「よくアメリカじゃ太ってる人は出世出来ないっていうけれど」
この話は菊からした、彼女からだ。
「その太り方が問題だから」
「自己管理が出来ないって思われて出世出来ないのよね」
「幾ら何でもお腹が膝まで下がってるとかね」
安禄山、中国唐代に叛乱を起こした人物はそこまで肥満していたがアメリカ人にもそ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ