第六章
[8]前話
「セロリをね」
「えっ、セロリをって」
「食べていいかな」
こう彼女に言った。
「そうしていいかな」
「けれど貴方」
「食わず嫌いだけれどね」
「その食べず嫌いをなの」
「格好よく言うと克服しようって思ってね」
「それでなのね」
「食べてみていいかな」
彼女に笑顔で言った。
「そうしていいかな」
「いいけれど、大丈夫よね」
「うん、お酒の勢いもあるから」
「その勢いを借りて」
「食べてみるよ」
こう言ってそしてだった、僕は彼女からその生のセロリを受け取ってだった。
自分の口の中に容れて食べてみた、すると。
案外美味しかった、それで彼女ににこりとしてこう言った。
「いけるよ」
「大丈夫なのね」
「うん、生のセロリもね」
そうだと言うのだった。
「安心していいよ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
「これからは野菜スティックの生のセロリも」
「食べるよ」
朝に出るそれもだった。
「そうしていくよ」
「そうなのね、それじゃあ」
「明日頼むよ」
「わかったわ、二人で食べましょう」
笑顔になって僕に行ってくれた、綺麗な笑顔で。
「そうしましょう、そしてね」
「そして?」
「私明日椎茸のバター炒め作るから」
彼女もだ、こう僕に言って来た。
「そうするから」
「それじゃあ」
「ええ、じゃあね」
「明日はね」
僕は彼女に笑顔で言った。
「一緒に椎茸食べようね」
「バター炒めをね」
「そうしようね」
「こうしてそれぞれ違っていても」
「お互いにだね」
「合わせたりしていくことが」
それがだとだ、僕達は話していった。
「いいのよね」
「そうだね、お互いに好きならね」
「そうしていきましょう」
僕達は笑顔で話した、そうして次の日は二人で椎茸のバター炒めを食べた。お酒を飲みながらでも彼女は勇気を振り絞って食べてそれから美味しいと言ってくれた。
セロリ 完
2014・5・31
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