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オズのモジャボロ
第五幕その四
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「少しいいかな」
「何かな」
「君達って二つに別れるよね」
 お箸はそうして使うものだからです、ジョージの質問ももっともと言えばもっともです。
「それは君達もかな」
「ああ、こうしてね」
 実際にです、そのお箸はです。その場ででした。
 ぱっかりと左右に分かれました、右手と右足は右の方のお箸に、左手と左足は左の方のお箸にあります。
 その姿をジョージに見せてです、こう言ってきました。
「分かれることが出来るよ」
「成程、そうなんだね」
「そうだよ、それにしてもね」
「それにしてもって?」
「ドロシー王女とモジャボロさんは知ってるよ」
 ドロシーとモジャボロは既に何度かこの国に来ているからです、キッチンランドの人達も二人のことは知っているのです。
 ですが五人はどうかといいますと。
「君達ははじめて見るね」
「王女さん達のお友達かな」
 お鍋も尋ねてきました。
「そうじゃないかなって思うけれど」
「うん、そうだよ」
 その通りだとです、ジョージはお鍋に笑顔で答えました。
「別の世界から来たね」
「私達の新しいお友達なの」
 ドロシーも微笑んでキッチンランドの皆にお話します。
「この子達はね」
「ああ、やっぱりね」
「そうなんだね」
「そうなの。宜しくね」
「うん、じゃあね」
「宜しくね」
「いや、凄いね」
 唸ってです、カルロスは首を捻って神妙な感じのお顔で述べました。
「食器の国なんてね」
「オズじゃこんなの普通だよ」
 スプーンのうちの一人が言ってきました。
「食器の国もね」
「パンの国もあるじゃない」
 今度はおたまが言ってきます。
「他にも一杯色々な人達の国があるじゃない、ここには」
「そうそう、かかしさんもいればブリキの木樵さんもいるよ」
 ナイフの言葉です。
「皆ね」
「ちなみに僕達の王様は大包丁だよ」
「そうそう、包丁さんお元気かな」
 モジャボロは包丁の名前を聞いて食器達に尋ねました。
「あの人は」
「とても元気だよ」
「何の心配もいらない位にね」
 食器達はモジャボロに笑顔で答えました。
「今日は大臣の人達と色々とお話してるよ」
「切るものは何が一番楽しいかとか何を煮るのが一番楽しいかってね」
「食器らしいお話をしてるんだね」
「うん、僕達は食器だからね」
「楽しんでるよ」
 そうしたお話をしてというのです。
「食器には食器の楽しみがあるから」
「そうしたお話が一番楽しいからね」
「例えばだね」
 ここでお鍋が言うことはといいますと。
「僕は何を煮ると一番楽しいかとかね」
「スープかしら」
 ナターシャはそれではないかとです、お鍋に言葉を返しました。
「お肉やお野菜をたっぷりと入れた」
「ううんと、お味噌汁?」
 
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